ベトナムの歴史や文化、風土を体感する 初のベトナム・ホーチミン修学旅行
平和学習をテーマに2つのコースを選択
多摩大学目黒中学校・高等学校では、これまで高2生全員が九州に修学旅行へ行っていましたが、2024年度から「九州」と「ベトナム・ホーチミン」のどちらかを選択できるようになりました。
新しい訪問先にベトナムを選んだ理由を社会科の稲葉勇太先生はこう話します。
「本校の修学旅行は、平和学習を柱にしています。グローバル化が進む中、国内だけでなく、世界の戦争跡地を訪れることも大切だと感じています。また、本校は国際教育に力を入れており、様々な海外研修プログラムを用意していますが、昨今の円安の影響もあって海外で学ぶハードルが上がっています。そんな中、比較的行きやすい場所としてベトナムが選ばれました」。
希望を募ったところ、初回のベトナム・ホーチミン修学旅行に参加した生徒は、約半数の131名。旅行会社の話によると、これだけ多くの生徒が一度にやって来るのは今回が初めてだったそうです。
平和学習、異文化理解……充実のベトナム5日間
1日目は午後到着。空港から街へ行くまでの道中、おびただしいバイクの数に圧倒される生徒たち。街の活気を肌で感じた、ベトナムの旅の始まりでした。2日目は平和学習で、ベトナム戦争時に激戦区となったクチへ。熱帯雨林の地下に約250㎞ものトンネルが広がっているクチトンネルは、ベトナム戦争の過酷さを物語る戦争跡地の一つ。生徒たちは実際にトンネルの中を体感。「こんな狭い場所に人が暮らしていたなんて……」と驚きを隠せなかったよう。その後、市内にある戦争証跡博物館を見学し、夜は米軍が散布した枯れ葉剤で下半身がつながった状態で生まれた双子の兄弟の一人、グェン・ドクさんの講話を聞きました。1日かけて行われた平和学習で、各自様々な感想を持ったようです。
3日目午前は、ベトナムに進出している2つの日本企業、ユニクロとヤクルトのどちらか選択し、現地で働く社員の方に「海外で働くこと」についてお話を伺いました。「本校の生徒は海外に関心がある子が多いので、とても興味深く聞いていました」と稲葉先生。午後は班ごとに分かれて、B&Sプログラムを。現地の大学生のナビゲートで市内観光をしました。市場での値段交渉の仕方を教えてもらったり、美味しいお店に連れていってもらったりと、若者目線のホーチミンを堪能できたようです。
最終日は3つのコースに分かれて、ベトナムの風景を満喫。平和学習、異文化理解など盛りだくさんの4泊5日のベトナム・ホーチミン修学旅行でした。参加した生徒たちからは「悲しい戦争の歴史はあるけれど、今の活気あるホーチミンの街が見られて良かった」「日本の落ち着いた雰囲気も好きだけど、エネルギッシュなベトナムもいいなと思った」など様々な声が。「この修学旅行で、生徒それぞれが何かを考えるきっかけになったのではないでしょうか」(稲葉先生)。同校では来年度以降も「九州」と「ベトナム」の選択制の修学旅行を予定しています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
多摩大学目黒中学校
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