私学探検隊

「発想の自由人たれ」3つのキーワードを軸に世界標準の教育を実践

すべての学びと活動の基盤は
THINK&ACT
「知好楽(ちこうらく)」を教育理念に掲げた三田高等女学校が創立100年を迎えた2015年、「社会が必要とする人材を育成する場」として現校名に改名・共学化した同校は、今春、中高一貫10期生を迎えました。創立者・戸板関子氏の「楽しさの中にこそ人間の進歩がある」という教えを受け継ぎながら、「発想の自由人」の育成を目指します。
全ての学びの根底にあるのは、「THINK&ACT」、習得した知識をもとに考える力「THINK」と、考えたことを行動に移す力「ACT」です。それを実現する環境として「INTERNATIONAL」と「SCIENCE」があり、さらに、授業や学校行事、部活動などを通して12のコンピテンシー「共創」「創造性」「責任感」「リーダーシップ」「探究心」「問題解決能力」「革新性」「コミュニケーション」「異文化理解」「生産性」「率先」「社会参画」の習得を教育目標として掲げています。

ISCの英語授業は英語力に応じて3つのレベル「Standard」「Intermediate」「Advanced」で展開

全教員が全教科において重視しているのが「問いから始まる学習」です。「一般的には、基本的な知識を習得してから応用発展に進み、それをベースに考える力をつける流れだと思いますが、本校はその逆。学びのスタートは『なぜ?』からです。そこから、物事を論理的に見つめるロジカルシンキング、批判的に捉えるクリティカルシンキング、自由に発想するクリエイティブシンキングを身に付けていき、発想の自由人になることを目指します」(副校長・広報部長 今井誠先生)
「この十年で、自ら学び始める子が増えてきました」(今井先生)の言葉通り、大学受験の合格実績の伸びはめざましく、2023年度には東大2名を含む国公立大に22名、医学部医学科に8名、早慶にも80名以上、さらに、海外大学へも121名が合格しました。「INTERNATIONALについてはどの学校にも負けないと自負しています。今後はこれまで以上に、SCIENCEにも力を入れていきたい」と今井先生は話します。

全教科に通じる
教養としてのSCIENCE
同校の「SCIENCE」は、生物や化学などのいわゆる「理系」を指しているわけではなく、開校当初から、収集→分析→構築→表現の科学的アプローチのサイクルを全員が身に付けることを目指しています。「サイエンスリテラシーは、社会の課題や問題を自主的に解決していける道具。全ての教科に通じる力です」(今井先生)
中学1年の段階で全員が「サイエンスリテラシー」を学び、問題の発見、情報の収集、分析、仮説の構築、そして解決策の発表までの科学的なプロセスを習得します。中学2年、3年になると、各自がゼミに所属し、それぞれの研究テーマに基づいた専門的な研究に取り組みます。日頃の授業においても理科や社会の連携など、教科横断型授業が多いことも特長です。このようなサイエンス教育を通じて「THINK&ACT」を繰り返し、課題発見と解決の能力を培っていきます。また、インターナショナルクラスの生徒は、「サイエンスリテラシー」の授業を全て英語で行うのも魅力の一つです。さらに、中学2年からはメディカルサイエンステクノロジークラス(MSTC)も始まり、4年間かけて本格的な研究に取り組みます。高校に進級しても全員が探究・研究活動に取り組み、中学で身に付けた科学的アプローチのサイクルを回し続けていきます。

博士号を持つ常勤教員が中心となりサイエンス教育を牽引します

「SCIENCEというと、生物や化学などの実験を伴う研究のイメージが強いですが、これからはコンピューターでデータ解析やシミュレーションをする『乾いた研究』にも力を入れていきたい」(今井先生)。その発想の拠点となるのが、2025年夏に竣工予定の「ラボ棟」です。昨年度の東大理科Ⅰ類への進学をはじめ、理系学部への進学も増えています。また、研究成果を発表する外部コンテストでも多くの生徒が活躍するなど、SCIENCE教育の成果は確実に見えています。

2025年「ラボ棟(仮称)」が竣工予定

1階には3Dプリンタなど工作系の設備が整い、ロボット作りなどものづくりの拠点に。2階にはフリースタイルで語り合う場があり、ミニプレゼンも可能です。3階では、個々の思考に没頭できる環境が整備されており、持ち運びできる電源も用意する予定です。「ラボ棟といっても、実験室ではありません。思考の扉を開き発想を広げる空間としたいと考えています」(今井先生)。

「本物のINTERNATIONAL教育」に自信

中学1年では、全てのクラスでInternational Teacher(IT)が担任・副担任となり、HRやクラスの活動をリードします

ネイティブ教員が34名、全体の約3割が帰国生という、圧倒的な英語環境の同校。「今や、グローバル教育を実施していない学校はほとんどなく、英語教育を行っていない学校もないでしょう。しかし、単に英語を学ぶだけではなく、インターナショナルな環境を提供し、異なる文化や背景を持つ生徒たちが互いに影響し合いながら成長できる、多様性に満ちた環境こそが、本物の国際教育であると考えています」(今井先生)。
帰国生との交流を通じて日本人の生徒たちも多くの学びを得ています。日常的に英語でコミュニケーションを取ることで英語力の向上につながるだけでなく、英語で考える力を養うことができるようになるため、早い段階で急激に英語の力が伸びていきます。また、ホームルームや授業においても、帰国生と日本人の生徒を混ぜて学び合う環境を作っているため、異なる文化背景を持つ生徒同士が互いに刺激を受け、国際的な視点での思考力やコミュニケーション能力が身に付きます。
同校では、英語力ゼロからでも海外大学を目指せるレベルまで高めるだけでなく、英語で思考できるようになるところまでを目標としています。「英語ができなくても大丈夫。実際、この春入学した生徒の約7割は英語をほとんど学んだことがありません。それでも安心して学べる環境を提供しています。各コースによって違いはありますが、教育の軸となるものや教育の質は変わりません。本物を選ぶ目で、ぜひ、本校の学びを見てください」(今井先生)

アミノ酸変異の解析でJSEC入賞から世界大会へ

2023年12月に開催された「JSEC2023(第21回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」で、メディカルサイエンステクノロジーコース(MSTC)のK・Hさん(当時高2)が、「疾患原因となるアミノ酸変異の解析」という研究で、「日本ガイシ賞」を受賞。2024年5月にロサンゼルスで開催された「国際学生科学技術フェア(ISEF)」に日本代表として出場しました。「これほど研究に没頭できる環境は他にない」とKさんは話します。

 


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

三田国際学園中学校
[学校HP]https://www.mita-is.ed.jp
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