私学探検隊

探究活動のフィールドが海外まで拡大!新たな教育プログラム『バリ島探究海外研修』

約170もの講座から選択受講できる「土曜プログラム」や週1回の「探究」の授業、「教科横断型授業」で有名な田園調布学園。この度、探究活動に焦点を当てた、新たな海外研修プログラム『バリ島探究海外研修』が始動しました。1期生として参加した高等部の生徒さんと、副教頭の入英樹先生にお話をうかがいました。

観光業で栄えるバリ島の
3つの課題に挑む
高等部1年生の希望者を対象とした『バリ島探究海外研修』は、観光地であるバリ島が抱える3つの課題(水の問題、ごみの問題、農業の問題)についての事前学習から始まります。そこで設定した課題と仮説を、現地で検証する流れです。研修に参加したKさんとNさんは、農業問題を考える班として用意していた仮説がまったく当てはまらない経験をしたそうです。
「カカオ豆が不適切な価格で取引されて農家の方が不利益を被っている話を聞いたことがあったので、バリのカカオ農家も同じ課題を抱えているのではと考えました。しかし、実際にお話をうかがうと、カカオ農家の方はバイヤーさんと交渉できており、不当な価格とは思っていないという反応でした」(Kさん)
「私は日本のように、バリの農家も後継者不足の課題があるのではと考えていましたが、現地の方へのインタビューで、その課題はないとわかりました。しかし、バリの農業は山の斜面を利用しているため、上の方の田畑の農家が農薬を使うと、下の方の農家が使う水が農薬で汚くなってしまうという別の課題があると知りました」(Nさん)
この状況を、担当の入先生は「まさに狙い通りだ」と話されます。
「国内だと、課題に対する解決策を想像できてしまう部分がある程度でてきますが、海外ではそうはいきません。そういう状況で生徒たちに探究のサイクルをまわす体験をさせたいと考え、この研修を企画しました。現地で話を聞かないとわからないことばかりのため、生徒たちは積極的に英語でインタビューをしていました。英語の力も積極性も成長したと感じています」(入先生)

帰国後もアクション継続!
なでしこ祭でのブース出展へ
帰国後も、バリの方からのミッションを実行するために活動を続けているというKさんとNさん。バリ島の農業のことについてより多くの人に知ってもらうために、今年のなでしこ祭(文化祭)でバリカフェを出店するそうです。
「バリ島のカカオ豆からチョコレートを作る過程のこだわりや工夫がわかるようなパッケージを製作し、チョコレートを販売する予定です」(Kさん)
「これまで私はリーダー役を避けてきたのですが、バリカフェの企画担当を引き受けました。研修を通じて仲良くなった友人たちと一緒に成功させたいと思います」(Nさん)
他にも、水の問題に取り組んだ班では、サンゴの死がいやココナッツの皮などを浄化装置に活用できないかと、個人で探究を続ける生徒さんもいるなど、バリでの体験をきっかけに様々な探究・アクションが広がっているそうです。海外での探究活動の機会も加わった、田園調布学園の実体験を大切にした教育プログラムに、今後も期待大です。


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

田園調布学園中等部
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