私学探検隊

理系志向が加速する「総合的な探究の時間」の学びと体験を重視する教科横断型の授業

新カリキュラム「探究」の成果
アプリ開発の2作が優秀賞に
長年続けてきた探究型学習「高1課題研究」で蓄積したカリキュラムを土台に、2022年度、高校1年から2年間かけて行う「総合的な探究の時間」(以下:「探究」)をスタートさせた同校。昨年度、初めて1サイクルが終了しました。
「探究」の1年目はテーマを設定し、2年目は、研究を進めながら5000字以上の論文を完成させます。「高1では、自分の興味のあることから広げてテーマを見つけます。すぐに決まる人もいますが、多くの生徒は何が好きなのかを見つけるのに時間がかかるもの。一人ひとりに教員が寄り添って考えていきます」(鈴木優里先生)。「N・YさんやS・RさんのようにPythonでコードを書きたいなど本格的にプログラミングをやりたい生徒は、優里先生のように大学で専門的に学んだ教員が担当します。他にも、歴史が好きな人、文学について調べたい人、それぞれのテーマに最適な教員が担当します」(鈴木龍馬先生)。

数名の生徒に担当教員が1人ついて指導するので、テーマ選びからじっくりサポートできる

多くの優れた「探究」の中で、2人のように理系的な内容を扱う生徒も少なくありません。「中学理科の授業では、実験や観察などを多く取り入れています。体験から学ぶことで、理系に興味関心を持ってくれるのでしょう。高2からの文理選択では、最近は過半数の生徒が理系を志望することもあります」(鈴木龍馬先生)。「物理×情報のように教科横断型の学びもあることは本校の特長です。授業では、エクセル関数は日常のどの場面で役立つのかなど、学んだ知識がどこにつながっているのかを伝えるようにしています」(鈴木優里先生)。
さらなる進化が期待される「探究」、そして、理系進学者が増加している同校の理数系教育にますます注目です。

探究活動を振り返って

高2の探究論文の最優秀賞、優秀賞に選ばれた2名にお話を聞きました。

インタビューに答えてくれたN.Yさん(左)とS.Rさん(右)

「アプリ甲子園」に出場し、プレゼンテーションするN.Yさん

―それぞれの探究内容について教えてください。
Nさん 「センシング技術を活用した新たなエンタテインメント体験の創造可能性について」をテーマに、ARを用いて制服をバーチャルフィッティングできるアプリやルームフレグランスを購入できるアプリを開発し、論文執筆をしました。
Sさん 「アイアンマンのように人を助けることは可能か」をテーマに、学校の情報を多くの人に伝えることができるアプリを開発し、論文にまとめました。

―探究活動で学んだことを教えてください。
Nさん センシング技術を活用できるようになったことです。動きのあるフィッティングができるようになったので、実際に着たときの感覚がよりイメージしやすくなったと思います。
Sさん 特技を生かして、学校やいろいろな人の役に立てたことです。夢への第一歩を踏み出せました。

「FIRST Robotics Competition」や「情報オリンピック」などの課外活動の成果を発表するS.Rさん

―大変だったことは?
Nさん アプリの開発が大好きなので大変だとは思いませんでしたが、高1の企業訪問で訪問先を絞る時に迷ってしまい、鈴木先生にアドバイスしていただきました。
Sさん 5000字書けるかどうか不安でしたが、最終的には1万字に到達しました。

―将来の目標は何ですか。
Nさん 工学系の学部でセンシング技術のことをもっと勉強し、みんなの生活がより豊かになるような技術の創造に関わりたいです。
Sさん ロボティクスや機械工学を学び、将来は自分の手で新しいロボット技術を生み出し、社会貢献したいです。

 


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

東京女学館中学校
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