私学探検隊

仲間と協力して舞台をつくりあげる喜びを感じながら、表現力や積極性を身につける

別人になれる、演技の魅力
2023年度の湘南地区秋季大会で最優秀賞を受賞し、初めて県大会出場を果たした鎌倉学園・演劇部。中学生10名、高校生7名で活動しており、次の大会に向け練習に励んでいます。実績を伸ばす演劇部の部員の皆さんに、部の魅力や自身の成長についてお話を伺いました。

2023年度部長を務めた水野祥さん(高3)

旧・部長の水野さん(高3)は、高校2年次の湘南地区春大会で最優秀俳優賞と助演俳優賞をダブル受賞するという快挙を成し遂げました。「ギャグテイストの作品で、ゴキブリの役でした。リアリティを持たせるためにゴキブリの行動特性をよく観察し、人間に対してどのような感情を抱いているのか想像しながら役作りを行いました」
ただコミカルなだけではなく、観ている人に愛されるキャラクターとなるように練習を重ねたという水野さん。学生の投票で最優秀俳優賞を受賞したときには、自分の演技が演劇部の高校生達に認められた喜びを感じ涙が止まらなかったといいます。
部長になってからは、楽しく演技をするだけでなく、上の大会を目指して一生懸命になる経験ができた、といいます。「演技のことばかり考えてしまうくらい、夢中になれた演劇部での活動はかけがえのない時間でした。年齢も性別も、まったく違う別人になれるのが演劇のおもしろさ。演劇部はどんな個性もあたたかく受け入れてくれる雰囲気があり、自分の居場所ができますよ」

2024年度部長になった五十嵐大将さん(高2)

新しく部長になった五十嵐さん(高2)がカマガク演劇部を知ったのは、小学校6年生のとき。映画研究部と共同で製作された映画作品をYouTube上で観て興味を持ったことから入部を決めたといいます。思い出深いのは、高校1年次の秋季大会に出場した際、重要なシーンでミスをしてしまったことだといいます。「『先輩を県大会に連れていけなかった』と頭が真っ白になりました。結果的に県大会に行けましたが、それからは油断大敵を肝に命じ、日頃の基礎練習などにも全力で取り組むようになりました」
今後は、中学生への指導を強化したり、合同練習を行っている茅ヶ崎高校との協力をさらに深めていきたい、と語ります。「自分自身と向き合いつつ、観ている人の心を動かすことができる演劇。中学生でも舞台に立つチャンスがあるので、ぜひ入部してください」

役者の演技を際立たせる
裏方の醍醐味

裏方としての魅力を語ってくれた加藤哲之輔さん(高3)

高校3年の加藤さんは、舞台にも立ちつつ、主に裏方として照明や音響、大道具・小道具や衣装づくりを担当しています。舞台監督として、本番の進行管理をするのも裏方の役割です。「照明や音響で舞台の雰囲気をつくり出し、役者の演技を際立たせることができるのが裏方の魅力!」高校2年次の春季大会では、雷の効果を表現するため、一瞬だけ点滅するフラッシュを使用するというアドリブの演出を加えた加藤さん。「観客の心情を動かすことができて、その反応をダイレクトに感じ取れるのが醍醐味です」
2年次の秋季大会で県大会出場を果たしたときには、自分たちの実力が認められたことが本当に嬉しかった、と語る加藤さん。「みんなで協力してひとつの舞台をつくりあげることができるのが演劇部の魅力。俳優をはじめ、ひとりでも欠けると舞台が成り立たないため、お互いのことを考えて連携を取り、本番を終えたときには大きな喜びがあるんです」

定期的に地域の学童に出向き、ワークショップ形式で演技の基礎を教えたり、空間把握能力を鍛えるゲームなどを行っている

中学生から活躍の機会が
たくさんある
普段は基礎練習として腹式呼吸、発声練習、早口言葉の練習などを行っている演劇部。月に1度、本校OBである俳優の福原冠さんに指導を受けながら、大会に向けて練習を行っています。10月の秋季大会、3月の春季大会のほかにも、学園祭や地域の学童でのワークショップ活動など様々な取り組みを行っおり、春季大会や学園祭は中学生の部員が出演できることから、中学生も活躍の機会がたくさんあります。
中学2年~3年生の部員の皆さんに、入部してからの自身の成長について聞くと、多くの人から意見が出たのが「声量が大きくなり、滑舌がよくなった」という声。普段の授業での発表時に緊張がなくなり、人前で話をすることへの苦手意識がなくなったという声もありました。

演劇部顧問の田嶋克弘先生。劇団で俳優活動をしていた経験を活かし、演技指導や演出を行う

これからやってみたいこととして「本番の舞台に立ちたい!」と口をそろえた中学生部員。文化祭でセリフがうまく言えなかった悔しさがあり、リベンジしたい、という思いを持つ人もいました。また、「表舞台だけでなく、照明や裏方に挑戦してみたい」「自分で台本を書き舞台をつくってみたい」という声もあり、意欲的にさまざまなことに挑戦したいと考えているようです。
顧問の田嶋先生は、「演劇は裏方や役者など、多くの人の力が必要とされる活動。自主性と責任感を持って取り組んでほしい」と語ります。そのうえで大切なのは、「楽しむこと」だそう。「演劇はセリフや動きを覚えるなど苦労もありますが、舞台上でアドリブをするなどオリジナリティを発揮する楽しさがある。苦労の先にある自己表現の喜びを知ってほしいですね」

鎌倉学園 演劇部

2023年度秋大会
湘南地区優勝・県大会初出場

県立茅ヶ崎高校との合同公演で、創立以来初の最優秀賞を受賞し県大会出場を果たした2023年度の秋季大会。 県大会では優秀賞を受賞

湘南地区春大会に向けての練習風景。大道具も、裏方の部員を中心に自分たちで準備

 


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

鎌倉学園中学校
[学校HP]https://www.kamagaku.ac.jp/
〒247-0062 神奈川県鎌倉市山ノ内110 Tel.0467-22-0994
最寄駅/
JR湘南新宿ライン 横須賀線「北鎌倉駅」徒歩13分。「北鎌倉駅」、JR湘南新宿ライン
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