私学探検隊

今年は創立100周年。これまでの積み上げを生かしつつ、次のステージへ

探究と自学自習の両輪で
学びを深める
武蔵野大学中学校・高等学校は、今年、創立100周年を迎えました。同校は2019年の男女共学化と同時に学校大改革がスタート。中学の共学1期生として入学した生徒が今年高3となり、大学受験を迎えます。また、今年から新校長として原田豊先生が着任し、同校はこれまで積み上げてきたものを生かしつつ、次のステージへと進もうとしています。
同校では「グローバル&サイエンス」をテーマに掲げ、中学の3年間は英語をツールとして世界に貢献できる人、課題解決スキルのある人を育成。高校に進むと医学部や国公立などの難関大学を目指す「ハイグレード(以下HG)」、海外大学や国内国際関係学部などを目指す「PBLインターナショナル」、武蔵野大学も視野に幅広い進路を目指す「本科」の3コースに分かれ、学びを深めます。また、同校では「チャレンジ」を合言葉に教科の枠を超えた言語活動、PBL(Project Based Learning)を導入。アカデミックスキルを養い、それを活用したプロジェクトに取り組み、探究心を深めます。「本校はこれまで力を入れてきた探究系の学びに加え、今年からは自学自習を重視しています。探究系の学びで自分の将来像を描きますが、夢の実現のためには地道な努力が必要。目的意識を持って通常の科目の学びに取り組む姿勢を育てています」と入試広報部長の小幡武憲先生は話します。

学校オリジナルの教科書「中学生のための言語活動」

また、同校では東大出身者らによる企業「カルぺ・ディエム」とのコラボ授業も2年前から導入。HGコースを対象に、身の回りのwhy(なぜ)に着目し、学びの姿勢を構築する「アカデミックマインド」を養っています。さらに、カルぺ・ディエムとコラボしたオリジナルの教科書『中学生のための言語活動』も誕生。中1から中3を対象に、同校が積み上げてきた言語活動のノウハウを1冊にまとめたもので、「自分を知る」→「他者を知る」→「社会とつながる」という流れで構成されています。

探究学習の成果を中1から発揮
何事も主体的に取り組む生徒たち
同校では2年前から年度末に探究学習の1年間の学びを発表する場として「MU-1グランプリ」というプレゼンコンテストを実施しています。生徒が自分で問いを立て、答えを導き出すために調べた内容を発表するもので、ユニークな発表がたくさんあります。「昨年度は中1の代表者の発表がとても印象的でした。自分をプレゼンするという内容で、軽快な会話を交えつつ、ストーリー性のある内容に仕上げていました。スライドに入れる情報量なども考えながら作られていて、話に引き込まれるように工夫されていました」(小幡先生)。今年5月に行われた学校説明会でもコンテストの入賞者が登壇し、プレゼンを行いましたが、受験生の親子がとても驚き、感心していたのだとか。「受験生の保護者の方々の中にはお子さんがおとなしい性格なので、人前で発表することが難しいのではないかと心配される方もいますが、ステップアップを重ねることにより、だんだんできるようになっていきます」と小幡先生は話します。

学校説明会で活躍する中学生

同校の生徒たちは学校説明会のボランティアにも積極的に参加しています。自分自身も先輩が学校説明会で説明を行う姿を見て憧れて同校に入学し、説明会のボランティアに立候補する生徒もいます。「自分たちの学校について説明することは学校を好きになる、誇りを持つということにもつながります。毎年9月には中3の生徒だけですべての進行を行う説明会を実施していますが、生徒目線で説明から学校案内までを行っているので、好評です」と小幡先生。このように探究を中心とした学びは生徒たちの主体性を育み、それが勉強のみならず、学校生活のあらゆる場面で発揮されているようです。

9月から使用開始されたスポーツパーク

9月からスポーツパークが稼働
来年は創造的に学べる施設も完成
同校では創立100周年記念事業の一環としてキャンパスのリニューアルも進められています。地下に自転車通学の生徒用が利用するための自転車置き場が併設されたスポーツパークが完成し、いよいよ今年9月から稼働し始めました。人工芝の広々としたスポーツパークでは部活動や体育の授業などで生徒がのびのびと体を動かすことができます。また、2025年度には4階建ての図書館機能を備えたガラス張りの施設が完成予定です。この校舎は「MUseion(エムユーセイオン)」と名づけられ、図書館と自習スペース、プロジェクターを使用してプレゼンも可能なラーニングコモンズなど、探究的学びを深めるための機能が充実しています。今後、環境面でもさらなる発展が期待できそうです。

来年完成予定の「MUseion」のイメージ。名前の由来は、古代エジプトの世界初、学問・教養・文化・芸術の総合施設で、図書館機能、自習スペースなどを備えた創造的な学びの施設となっている

校長の原田豊先生

メタ認知能力を育てる

今年の4月から校長に就任した原田豊先生は、もともと探究型の授業の取り組みをふんだんに取り入れていた同校の特色を生かし、メタ認知能力の育成を重視しています。「なぜ」にこだわった思考の訓練を行うことでメタ認知能力の向上を図ります。また、そのためには知識など正しいインプットが必須であるとし、授業の基本のフレームワーク(下の図参照)を厳守していくとしています。中でもその授業の目的を説明する「ガイダンス」と「展開」が重要であると原田先生は話します。
メタ認知能力が高い人間はつまりプリンシプルを持った人間であるとし、不確定な現代社会においても確固たる信念を持つ人間を育てることが重要であり、同校の仏教精神に基づく「こころの教育」はその点における大きな強みとなっています。


※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

武蔵野大学中学校
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