ブラジル出身のマルケス先生は早稲田大学大学院で学んだ後、日本の大学で英語教育等に尽力。英語・日本語・ポルトガル語をはじめとするマルチリンガルです。

昨年、校長にマルケス　ペドロ先生が就任したことを機に大きな改革を行った西武学園文理中学校。これからの社会に必要な力を培いつつ、生徒の個性や好きを伸ばしながら進路実現に繋げる教育は、多くの方から支持を得ています。今回は改革の中心となったマルケス先生にお話をうかがいました。
中学校は「アカデミックチャレンジクラス」「クリエイティブクラス」「スポーツ＆アートクラス」の3クラス。スポーツ＆アートクラスは来年度からの新設クラスで、活動記録や面接によるポテンシャル入試を実施します。「近年、推薦や総合型選抜で大学へ進学する生徒が増加しており、この傾向はさらに進むと予想されます。ですから、中学から生徒の特性を伸ばし、ポートフォリオをつくっていくのがスポーツ＆アートクラスの特徴です。もちろん普通科ですから勉強もしっかり行い、生徒が極めたいことに集中できる環境になっています」。

ネイティブの先生は現在10名ほど在籍。「きめ細かく生徒のフォローができるよう、今後も先生を増やす予定です」とマルケス先生。

社会で使える英語を育てる
以前から定評のある英語教育はよりブラッシュアップされ、「Pioneers」「Explorers」「Daredevils」と習熟度別クラスを導入。「大学で教える中で感じたのは、英語に対して身構えてしまう学生の多さです。この原因がどこから来るかというと、中学だと思うんですね。中学1年生は英語ができなくて当たり前なのにスコアで判断されるから、正しくなければ英語ではないと思い苦手意識もできてしまう。ですから初心者向けのPioneersは、体験ベースの授業の中で成長度や活動への姿勢で評価します。ExplorersはPBLやオールイングリッシュの授業を中心に4技能の向上。Daredevilsは授業の8割がオールイングリッシュです」。各クラスへの移動は基本学期ごとに行われるため、生徒のモチベーションを維持しながら、効率よく英語力を伸ばすことができます。また今後は、中高それぞれに留学生を増やして、オールイングリッシュのクラスをつくる予定とのことです。

実社会と繋がるプロジェクト
非認知能力を高める活動として注目されているのが、今年度から始まった「ガチ・プロジェクト」です。ポッドキャストや制服デザインなど10個のプロジェクトがあり、生徒自身がアイディアをカタチにしていきます。希望者制にもかかわらず6割以上の生徒が参加しているそうで、中には複数のプロジェクトをかけ持ちたいと先生に力説する生徒もいるのだとか。「ガチ・プロジェクトのガチは本物という意味です。生徒を本気にさせるには、教室の中で完結する模擬体験ではいけません。プロジェクトは自治体や企業と連携して活動するので、結果が実社会に繋がります。だからこそ主体性や創造力、責任感などが育まれ、さらに成功や失敗を重ねることで、多くの学びと気づきを得ることができます」。

真の教育と確かな学力
「早稲田大学時代の恩師が、本物の教育とは生徒に『自分探りの旅』を与えることだと言っていました。自分がどんな人なのか、何がやりたいのか。これは経験から得られるものです。本校では進路指導として、連携するキャリアサポートのプロが月1回中学生と1対1でオンライン面談を実施。会話を重ねながら自分探りができる体制を整えました。このような環境の中で、将来に通じる進路を選択していきます。もちろんどのクラスも大学の一般入試で通用する学力を形成できますし、プロジェクト等の実績から総合型選抜も狙えるので、受験の幅が広がります。
最近、以前にも増して生徒がアクティブになり笑顔も多くなりました。これからも生徒主体の学校としてチャレンジを続け、ポジティブで元気な生徒と学校を目指していきます」。

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