手作りの実験道具など、先生方の創意工夫で苦手だった生徒も理科が好きになる!
オープンスクール・文化祭過去問題解説で実験や工作を体験
特色ある理科教育を行う東京電機大学中学校では、実験の時間を大切にする授業を展開しています。同校の理科教育について、入試・広報担当の阿部裕之先生にお話を伺いました。
同校では、毎年7月にオープンスクールが開催されますが、この時に行う理科の体験授業には、とてもユニークな授業名がつけられています。例えば、「マサツーセッツ工科大学」(低温でとける金属を磨いて鏡を作る)、「水戸甲門」(ちりめんじゃこに混じっているエビ、カニなどを観察する)など、名前を聞くだけで受けてみたくなる授業がいろいろあります。「オープンスクール以外に、文化祭でも工作教室を行います。これらを体験して、本校を受験する小学生も少なくないようです。中には、併願を考えて12月の過去問題解説に来た時、実験の授業を受けた子が本校を第一志望に変更したというケースもあります」(阿部先生)
先生たちの熱い思いから生まれた独自の授業
同校の理科実験で特徴的なのは、実験キットを先生方が手作りし、実際に組み立てるところから生徒に取り組ませているところです。
「組み立てから行うことで生徒たちはものを大事にするようになります。また、実験は身近な材料を使ってできることがわかり、理科への関心が深まります。手作りの実験キットは教科書通りではないので、誤差が出ることもありますが、それはなぜなのかを考え、失敗を克服する力も生まれるのです」と阿部先生は話します。
これらの実験を続けていくためには、道具になる材料集めなど、先生方の準備段階からの努力が必要です。先生方の熱い思いが独自の授業スタイルを支えているのです。
自己の興味・関心を掘り下げる卒業研究
中3から高1に進級するにあたっては、卒業研究を実施しています。「テーマは自由ですが、理科的な研究を行う生徒もたくさんいます」と阿部先生。この研究で自分の関心あるテーマを深く掘り下げることにより、将来の進路選択につながることもあります。研究は、研究論文とプレゼンテーション資料にまとめて、クラスごとに全員が発表を行い、そこで選ばれたクラス代表者は、次に学年全体に発表を行います。さらに、そこから選ばれる優秀者数名は卒業式にも発表を行います。
同校では高校でも理科実験の授業を大切にしており、卒業後、理系学部に進む生徒が全体の7割程度います。また、入学当初、理科が苦手だった生徒が、それを克服して卒業していくことも少なくありません。理系大学の系列のため、理系進学希望者が入学するイメージの強い同校ですが、もちろん文系に進む生徒もいます。将来、どのような進路を選んでも、理系の知識や考え方は大切なものであり、そのことに気づかせてくれる「学び」が同校にはあります。
東京電機大学中学校
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