私学探検隊

「グローバル人材育成プログラム」と「Tクラス」時代のニーズに応える、昌平中学校の新たな教育プログラム

2010年に中学を開校した昌平中学・高等学校は、今年で5年目を迎えます。初年度に入学した中学一期生もいまや高校2年生。来年には大学受験が迫っています。中学より先行して教育改革が行われていた高校では、大学合格実績が右肩上がりに急上昇。当校の教育力の高さが証明されているだけに、中学一期生の進路にも注目が集まっています。
当校の校訓は「礼儀・勤勉・明朗」。教育方針には「国際教育」「人間教育」「才能開発教育」「健康教育」の4つを掲げ、「手をかけ、鍛えて、送り出す」を教職員モットーにして日々教育が行われています。今回は当校が特に注力している「グローバル人材育成プログラム」と、2015年からの新たな取り組みとして導入される「Tクラス」について取材しました。

世界をテーマに、自立した学習者へ「プロジェクト学習」

当校のグローバル人材育成プログラムでは、世界を意識し、理解する力の育成を目的としています。英語だけではなく、文化や価値観の違いを理解し、広い視野を身につけ、グローバル社会の中で活躍できる人材を育成します。グローバル人材育成プログラムの教育活動を、大きく4つに分けてご紹介したいと思います。
まず1つ目は「プロジェクト学習」。月に1回、3時間程度、中学3年間を通して行われる教育活動です。プロジェクト学習では、自立的学習能力や問題解決能力、対人コミュニケーション力を身に付けさせ、移り変わりが速く、先の見えないグローバル社会においても活躍できる人材を育成することを目指しています。生徒はグループごとにディスカッションを行いながら、「課題を見つける・調べる・まとめる・発表する」という流れを身に付けることで主体的に課題に取り組めるようになります。教員が一方的に教えることはありません。中学3年間の共通のテーマを「世界」として、世界中の様々な問題に気づき、必ずしも正解が一つではない課題に取り組んでいきます。

プロジェクト学習プレゼンテーション

プロジェクト学習ではプレゼンテーションも行います。また中学3年の最後には、集大成として卒業論文を作成します。

プロジェクト学習グループディスカッション

プロジェクト学習ではグループディスカッションを通して、主体的に課題に取り組む姿勢を育み、自立的な学習者を育成します。

プロジェクト学習の各学年の実施概要

学年 中学1年生 中学2年生 中学3年生
テーマ 世界は面白い 世界は違う 世界と働く
狙い 世界に興味を持つ 世界の多様性を
認識する
社会にどのように貢献するかを考える
概要 衣食住 宗教・人権 キャリア
学習内容 話し方、聞き方、パソコンの使用方法などを学びながら、論理的思考能力を養います。
大使館などを訪問し、文化の違いを体感します。
宗教や発展途上国における人権、差別について学びます。またJICAを訪問し、青年海外協力隊の話を聞きます。
外務省を訪問し、異なる文化を持つ国と働く職員の話を聞きます。
自分の強みや興味を理解し、適性のある職業を考えます。企業を訪問し、世界を相手に働く人たちの声を聞きます。
プロジェクト学習の集大成として卒業論文を書きます。

 

 

 

 

 

 

 

生徒全員が英語を得意科目に「パワー・イングリッシュ・プロジェクト」

インターナショナル・アリーナ

ネイティブが常駐しているインターナショナル・アリーナ(日本語禁止部屋)には、毎日多くの生徒が訪れ、英語に親しみながら、他国の文化や価値観を学んでいます。

2つ目は「パワー・イングリッシュ・プロジェクト」です。中学開校当初から行われているこのプロジェクトは、その名の通り英語を“超”強化する取り組みです。生徒全員が英語を得意科目にすることを目指しています。当校の英語教育では、語彙力や理論(文法)に加えて、実践練習によって英語における瞬発力を身に付けさせています。まず語彙力・理論についてはGTECを中高6年間の共通指標とし、英検やTOEIC Bridgeの積極的受験、またボキャブラリーコンテストとして学年ごとの英単語テストなどを行っています。中学3年までにGTECであれば440、英検であれば準2級の取得を目指します。
一方、実践練習については当校独自の「インターナショナル・アリーナ」の活用があります。インターナショナル・アリーナとは一切の日本語の使用が禁止されている、別名「日本語禁止部屋」です。ネイティブ教員4名が常駐しているので、生徒はいつでも好きなときに来て、実践的に英語を学ぶことができます。また英会話だけなく、会話を通して異国の文化や考え方を体験的に学ぶこともできます。この他にも英語の授業時間の充実や英語研修など様々な英語教育が行われています。特に英語研修については、来年より宿泊語学研修プログラムが新しくスタートします。それに伴い、パワー・イングリッシュ・プロジェクトも2015年より「新パワー・イングリッシュ・プロジェクト」と名称を改め、バージョンアップした英語教育を行っていきます。

各種英語力検定の数値目標

中学1年 中学2年 中学3年 高校1年 高校2年 高校3年
1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3 1 2 3
英検 5級 4・5級 3級 準2級 2級 準1級 大学入試特別講座
GTEC 380 440 500 570 620
進研SS SS65 SS68 SS68

昌平独自の「SW(スペシャル・ウェンズデイ)」と「国際交流プログラム」

スペシャル・ウェンズデイ(模擬裁判)

SW(スペシャル・ウェンズデイ)の模擬裁判での一幕。SWでは、グローバルに関するものだけでなく、幅広い分野の体験学習を行っています。

3つ目は「SW(スペシャル・ウェンズデイ)」です。月に1回、水曜日に行われる体験学習で、大学の研究室訪問から芸術鑑賞まで多彩な体験をすることができます。グローバル人材育成プログラムへの注力に伴い、近年ではこのSWも当校のグローバル教育の一端を担っています。前述のプロジェクト学習と連携しながら、グローバル関係ではJICAや外務省、各国の大使館訪問などを行っています。
最後の4つ目は「国際交流の実践」です。オールトラリアにあるスコッツ・スクールと姉妹校提携をしているので、希望者は短期留学およびホームステイをすることができます。スコッツ・スクールからも定期的に短期留学生が訪れるので、短期留学をしていない生徒にとっても国際交流の実践の場が用意されています。また中学3年では海外への修学旅行もあります。生徒にとっては中学3年間で学んだ国際対応力を試すチャンスとなり、同時に世界を身近に感じることで、今まで以上にグローバルな視点で物事を見ることの必要性を実感する機会となります。

更なるグローバル教育へⅠB(国際バカロレア)の導入

大きく4つの教育活動により、当校のグローバル人材育成プログラムは構成されています。そしてこれに加え、当校では「IB(国際バカロレア)」の導入を進めています。IBとは世界基準での教育プログラムで、生徒同士のディスカッションやプレゼンテーションを通して、自己問題解決力や論理性、コミュニケーション能力、情報収集力、社会貢献の精神などを育成します。「(前述の)プロジェクト学習の要素を教科教育にも反映し、より発展させることを考えたとき、IBの導入が自然な流れ」と校長の城川先生。IBの導入により世界基準での学びにつながり、当校のグローバル人材育成プログラムは更に充実します。

2015年から新クラス制度の導入「Tクラス」

さて2015年からの当校での新たな取り組みに目を向けると、新クラス制度が導入になります。今までの「標準クラス」に加え、新しく「Tクラス」がスタートします。Tクラスでは、東京大学や京都大学、国公立大学医学部などの最難関大学進学を目指し、学問として深みのある授業が行われます。授業の進度としては標準クラスと同じなので、進級時にクラスを選択することもできます。ちなみに「Tクラスの“T”は、“東大”のTの意味も含んでいます(城川先生)」とのことでした。
当校の注目すべき取り組み、「グローバル人材育成プログラム」と「Tクラス」。昌平中学・高等学校は、時代のニーズに的確に応えながら、今後、更に躍進していきます。ぜひ一度、説明会に足を運んでみてはいかがでしょうか。

昌平中学・高等学校
[学校HP]http://www.shohei.sugito.saitama.jp/jrhighschool/
〒345-0044 埼玉県北葛飾郡杉戸町下野851
☎ 0480-34-3381
最寄駅/JR宇都宮線・東武伊勢崎線「久喜駅」よりスクールバス10分。