私学探検隊

将来、社会に出て、活躍するために自ら考え、判断し、行動できる人材を育成

ICT教育の導入により主体的に考える生徒を育成

ICT教育

授業中のグループでの話し合いの記録も、担当の生徒がタブレット端末を使用して行う。

桐蔭学園は、男女別学の中学校・高等学校と、完全中高一貫の中等教育学校(男子)を有し、緑豊かな環境や充実した学習設備に定評のある学校です。昨年、創立50周年を迎えた同校では、開校以来の進学校としての実績を踏まえつつ、さらに次の50年に向け、新しい取り組みが始まっています。男子部中学1年学年主任の大橋一仁先生(国語科)にお話を伺いました。
「今年入学した中学1年生から、男子部、女子部、中等教育学校すべての生徒が1人1台、タブレット端末を所有しています。そこに3つのアプリを導入し、授業の中で使用するのはもちろん、教員と生徒の連絡にも使用しています」(大橋先生)
3つのアプリのひとつは学習支援ソフトの「eトレ」。数学、英語を中心に、タブレット上でプリントと同じように問題を解いていくもので、週に1度、小テストも行っています。小テストに合格できない生徒は、放課後や土曜日に「eフォロー」として補習を行い、わかるようになるまで学習支援します。この支援の部分を卒業生のチューターが担当することにより、学校行事などで先生のスケジュールがイレギュラーな場合も、テストや補習を中止することなく、確実に行えるようになりました。授業で使う「ロイロノート」はノートをとったり、レポートを作成したりすることのできるアプリです。先生は授業中、生徒全員の様子をタブレット端末を通じて、同時に把握することができ、クラス全員と一方的ではない、双方向での授業を展開することができます。「クラッシー」は出欠などの教務管理や、教員と生徒の連絡などに利用するためのアプリです。例えば、落とし物を拾得した場合、先生がその写真を全生徒に公開すると、持ち主が端末から連絡することができます。また、夏休みなどの長期休みの期間には、タブレット端末を通じて、担任と生徒が週に1回は必ず連絡を取り合うようにします。こうすることで課題の取り組みなどの確認も行うことができます。

新時代を生き抜く人材を育てるアクティブラーニング型授業

同校では、今年度から中1と高1を対象に、アクティブラーニング(以下AL)型授業も展開しています。これは、能動的な授業参加を通じて、問題解決力や他者と協働する力を身につけるために行うもので、中1は前述のICT機器を生かした授業展開を行い、高1ではペアワークなどで人と協力して作業をすることなどにより、生徒が自発的に学習に参加するための取り組みを実施しています。将来的には全学年で展開し、AL型授業のモデル校を目指しています。「AL研究の第一人者である京都大学高等教育研究開発推進センターの溝上慎一教授と連携。教員も中高合わせて30名体制のAL委員を構成し、推進を図っています。この取り組みにより、学ぶ力を身につけた生徒たちは、将来、変更が検討されている新しい大学入試にも対応できるように成長してくれるのではないでしょうか。そして、大学も大切ですが、それ以上に大切なのは社会に出て活躍できる人材を育てることです」と大橋先生。伝統を守りつつ、時代の変化に対応した改革に積極的に取り組む同校。今後の展開も楽しみです。

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

桐蔭学園中学校・桐蔭学園中等教育学校
[学校HP]http://toin.ac.jp/
〒225-8502 神奈川県横浜市青葉区鉄町1614
☎ 045-971-1411
最寄駅/東急田園都市線・市営地下鉄BL「あざみ野駅」、小田急小田原線 多摩線「新百合ヶ丘駅」からバス「もみの木台」徒歩10分。東急線「市が尾駅」「青葉台駅」からバス「桐蔭学園前」ほか。