ICTを活用した東農大一中の授業 試行錯誤して探究心を育む理科の知耕実学
実験で「不思議を解明」考える楽しさを体感
高校創立65周年、中等部創立10周年という節目の年を迎えた東農大一中。より高く、より意欲的な夢の実現を目指して進化を続けている同校は、ICTの活用で高いレベルの学びを実現しています。
中学1・2年の理科では週4時間ある授業のうち半分以上は実験を行います。教科書に載っている実験をただ再現するのではなく、テーマ設定から実験方法までを生徒が考えるため、班によって試行錯誤の道筋は様々。実験を通して、わからないことに対する「なぜ?」と問うことのできる探究心と仮説、検証に基づくレポート作成のための記述力を身につけます。
最先端の機器を独創的に応用した実験!?
東農大一中では、微生物に始まり、小動物、脊椎動物など様々な生物の実験を行います。およそ中高レベルとは思えない最先端の設備や実験機器を使って、通常であれば医学部志望の一部の生徒が行うような実験を全員が行うことができるのが同校の理科実験の魅力のひとつです。今回は数多く行われる実験の中でも「カエルの解剖実験」についてご紹介します。カエルの解剖といえば体内構造を確認するだけにとどまってしまうことが多いですが、東農大一中ではさらに踏み込んだ実験を行います。物理分野でも活用される「イージーセンスビジョン」という機器を生物分野で応用し、カエルの解剖実験に取り入れました。「イージーセンスビジョン」は、モノの動きや加速度を測定することができる機器ですが、同校の理科教員は、その特性を活かし、カエルの神経細胞や筋肉の収縮運動の測定に応用しました。実験結果データのデジタル化に初めて成功したというから驚きです。さらにiPadと連動させ、実験データの編集も可能にしました。
体験から得られる本物の学力
東農大一中の実験では大切にしていることが2つあるそうです。1つ目は実物に触れ、教科書ではわからないことを、まさに自分の経験として実感すること。特に生物分野の実験では、命の大切さを学ぶことができます。2つ目は現象を数値化してとらえること。データを読み取って考えることを繰り返し、物事を自分なりに捉えて判断する力を養うためです。公式を自ら導き出す経験を重ねるなどの主体的な学習によって、思考力・分析力が磨かれ、本質を理解できる本物の学力を身につけることができます。これらの力は知識の活用力が問われる2020年大学入試改革でも必要とされる力です。さまざまな経験を積み重ね、進化を遂げていく東農大一中。今後の知耕実学の取り組みにも大きな期待が高まります。
理科好きの生徒も理科が苦手な生徒も理科が好きになる東農大一中の理科の授業を受けた中1生徒の感想
●始めに教科書を読んで疑問に思ったことでも、実験することで疑問が無くなり、記憶に焼きつきます。理科をやる上でこういう覚え方があるのだなと思いました。東農大一中に入学して、理科がとても好きになりました。
●私が一番楽しかった実験はマウスの解剖です。私はこの時初めて解剖をしたのですが、先生が丁寧に説明してくださったので、私もなんとか成功させることができました。そして空気で大腸をふくらませることができた時は本当に嬉しかったです。
●小学校の頃は写真を見るだけだったものも、東農大一中では、実物を見せてくれました。様々な花、火成岩、プランクトン、カエルの卵、魚やねずみなど。実際に見て触れると写真で見るより何倍も印象が強いのですぐ覚えられました。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
東京農業大学第一高等学校中等部
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