2015春、MITA International Schoolが始動 「こんな授業を受けたかった」 満足度100%のアクティブ・ラーニングを実践
女子の伝統校である戸板が、2015年度から共学の三田国際学園に生まれ変わりました。イマージョン教育の展開を打ち出した「インターナショナルクラス」の設置。「自ら考える力」を伸ばすアクティブ・ラーニング形式の「相互通行型授業」の全教科での実践。これまでにない新しい学びで注目を集めた同校。その1年目の様子に迫ります。
共学化1年目入学者の半数が男子
三田国際学園は、激しく変化するグローバル時代に活躍できる人材の育成を掲げ、実践的な英語力やコミュニケーションスキル、未知の問題へ立ち向かい解決できる思考力の習得を教育の柱に据え、2013年から教員研修を重ね、学校改革に取り組んできたといいます。
今春の入試の出願者は2120人と、全国的に見てもトップレベルの数字といえますが、さらに注目したいのは入学者の男女比です。共学化1年目にも関わらず、男女比はほぼ1:1となりました。こうした状況を同校広報部長の今井誠先生はどう受け止めているのか。
「これから始まる学校で大学進学実績を語ることはできません。説明会では、グローバル社会で活躍できる生徒を育てるために、どんな教育が必要か、私たち学校にできることは何かを伝えることに力点を置いてきました。説明会に来ていただいた保護者の方々も、今まさに社会の一線で働いており、時代の要請を実感としてひしひしと感じられているのだろうと思います。だからこそ、大学進学実績や『元女子校』といった観点での学校選びではなく、率直に本校の教育方針に共感・期待していただいたのではないかと考えています」。
相互通行型授業が常に思考する環境を創出
同校が教育の柱に据える「相互通行型授業」と呼ばれる授業とは、どのような授業なのか。「手法は時と場合により様々ですが、いわゆる問題解決型のアクティブ・ラーニングを主体としています。本校では一部の教科、授業で単発的に行うのではなく、全ての教科で継続的に実践しています。そのため常に自分の頭で考えること、自分の考えを発信することが求められる環境になっているといえます。こうした思考のトレーニングが日々積み重ねられることによって、たしかな思考力が身につくと同時に、コミュニケーションスキルや創造性、発想力が磨かれていくと考えています」(今井先生)
授業は、教員の質問から始まり、仮説を立て、グループで議論、検証し、自分たちの意見を再構築します。そして最終的にはプレゼンテーションを行い教室全体でその思考のプロセスや多様な考えを共有するところまでたどり着きます。
「生徒は45分の授業があっという間だと言います。教員の出したテーマに興奮した様子で、休み時間も夢中で議論を続ける様子をあちこちで目にします。教員もまた生徒の好奇心に火をつける授業を行うために教員研修では必ず模擬授業を行っていますし、教員同士の日ごろの意見交換も活発に行われています」(今井先生)
生きた英語に触れ「使える」英語を身につける
今年度から新設された「インターナショナルクラス」は、帰国子女など英語既習の生徒だけでなく、基礎から学び始める生徒を同時に受け入れています。週10時間の英語授業は習熟度別に行いますが、ホームルームクラスは同じで、ネイティブスピーカーの専任教員が副担任に就きます。授業だけでなく、昼休みやクラス活動など学校生活のさまざまな場面で、生きた英語に触れながら積極的に英語でコミュニケーションする環境が整っています。
また、英語が堪能な生徒は入学時から数学、理科、社会では、授業をすべて英語で行うイマージョン教育を導入しています。そして、基礎から学んでいる生徒も英語力の向上に応じて段階的にイマージョンに移行していくプログラムとなっています。「このように英語のシャワーのある環境にどっぷり浸かることによって、「使える」英語を格段に早いスピードで習得できると考えています」(今井先生)
熱気を帯びる公開授業保護者の反応は…
受験者数の多さからも同校への期待の高さは伺えるが、実際に入学した生徒の保護者からはどのような声が聞こえているのか。1学期にはさっそく在校生保護者向けの公開授業が行われました。
「公開授業には多くの保護者の方がいらっしゃいました。自分のお子様のクラスだけでなく、英語、数学、社会…と各教室をのぞいているのも印象的で、教室も廊下も熱気を帯びているようでした。授業後に感想を伺うと、『私も学生時代、こんな授業を受けたかった』と皆さん口をそろえておっしゃいました。また、生徒たちが楽しそうに授業に参加していて、活発に意見が飛び交っていることに驚いたと言う方もいました。入学前のご期待に応えられているのではないかと、手応えを感じると同時に、『もっとより良い授業を』と、あらためて身の引き締まる思いのした一日でした」(今井先生)
新設クラブも活動中!
同校の敷地は6000坪。世田谷区にあって、相当な広さです。男子を受け入れるにあたって、今年度からサッカー、ラグビー、軟式野球、鉄道研究、囲碁・将棋、5つのクラブを新設。もちろん既存のクラブも男子を受け入れ、これまで以上に活気にあふれています。
ICT教育の充実
同校ではWi-Fiが全館完備され、生徒・教員全員がタブレット端末を持ち、いつでもどこでも情報収集や情報共有、そして発信ができるような体制を整えています。また、ICTを利用するだけでなく「創る側=クリエーター」の育成にも力を入れ、プログラミングやアプリ制作などのワークショップも開催しています。
三田国際学園の”グローバル社会で活躍するための”2つのクラス・4つのコース
中学
本科クラス
2年次からは、関心のあるテーマの研究・フィールドワークなどに取り組む「基礎ゼミナール」を実施。創造性や発想力を磨く。
インターナショナルクラス
生徒の英語力に応じて授業を実施。英語以外の教科も英語で学ぶイマージョン教育を段階的に取り入れる。
高校
本科コース
ハイレベルな授業や演習で、幅広い教養と実践力を身につける。2年次に文理選択。国公立・難関私大を目指す。
スーパーイングリッシュコース
短期・長期選択制の留学プログラムで、実践的な英語力だけでなく、国際感覚を養う。国際教養系の大学・海外大学を目指す。
スーパーサイエンスコース
大学の研究室レベルの機器を備えたラボで、自らテーマを設定し、基礎研究に取り組む。先端理系・医歯薬獣医系の大学を目指す。
インターナショナルコース
2018年度設置予定。中高一貫の流れで、イマージョンによる指導を展開。海外大学進学を目指す。
一条校である強み
インターナショナルクラス(コース)では、イマージョン教育を導入し、インターナショナルスクールのスタイルを取り入れていますが、同校は学校教育法で定められた一条校であるため、英語で教育を受けながら必要な単位を取得し、高校課程を修了すれば、日本の大学の受験資格を得られます。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
三田国際学園中学校・高等学校
[学校HP]http://www.mita-is.ed.jp
〒158-0097 東京都世田谷区用賀2-16-1
☎ 03-3700-2183
最寄駅/東急田園都市線「用賀駅」徒歩5分。小田急線「成城学園前駅」から東急バス「用賀」徒歩3分。東急東横線・目黒線「田園調布駅」から東急バス「用賀神社前」徒歩2分。