私学探検隊

考察し、表現する力を身に付ける“東農大一中の環境地図"

社会科は暗記科目ではなく論理的思考力を養う科目

授業と実験・体験からバランスよく学び、問題発見・解決能力を育てる「実学教育」を教育方針として掲げている東農大一中。今回は、社会科の常久先生に、社会科における実学教育についてお話を伺いました。「社会科は知識を詰め込む暗記科目だと思われてしまいがちです。しかし、大学進学後や社会に出てからは、知識を身に付けるだけでなく、それらを活用して、物事を批判的、分析的に捉えて自分なりに考え、論理的な文章を書くことや相手に伝えることが重要です。本校の社会科では、そうしたことを見据え、『考察する姿勢』を身につけることを大切にしています」(常久先生)このような考えから、同校では生徒が自分自身で考え、表現することを重視した授業を展開しています。

身近な環境の疑問について調査する“環境地図”とは

中1の夏休みの課題として作製する「環境地図」はその取り組みのひとつです。「環境地図」とは自分の身のまわりで興味を持ったことを調べて作る地図のことで、地図作製にあたり、自分自身でテーマを考え、それについて調査をします。ただ地図を作ればよいというものではなく、分析した内容は調査報告書にまとめ、発表まで行います。東農大一中では、常に新聞やニュースなどの新しい情報に興味・関心を持ち、政治・経済・文化など、様々な角度から社会に対する問題意識を持つように指導しているので、調査テーマは様々です。調査手法も生徒に任されていて、中には大学教授にインタビューに行ったり、街頭アンケートに挑戦したりする生徒も。教室で机に向かう授業に加え、いろいろな経験をしながら、学びの面白さに到達できる機会が同校には多くあります。

新大学入試制度にも対応可能なアウトプット力を鍛える

同校では、日頃から分析力と論述力を養うレポート課題が多くあるため、中1でも自分自身の言葉でまとめる調査報告書を完成させることができます。調査報告書の分量は決められてはいませんが、多い生徒だとレポート用紙30枚というから驚きです。このような取り組みから、文章を書けることが自信になり、学年を追うごとに書く力がステップアップしていくといいます。また調査発表を通して、自分の主張を上手に相手に伝えるプレゼンテーション能力も養います。東農大一中の生徒は、幅広い学びと様々な経験を積むことができる実学教育を通して確かな学力を育んでいます。

2013年国立環境研究所理事長賞受賞 林遼威くん

環境地図の作製手順

① 地域調査計画書の作成、テーマ決定
② 実際に出かけて調査を実施
③ 調査結果から地図の作製、考察
④ 調査報告書の作成
⑤ 調査発表、クラスで全員がプレゼン
⑥ 生徒同士で評価、フィードバック

クラスみんなの前でプレゼンテーション

プレゼンテーション

お互いのプレゼンの内容から得られる気づきも大切にしています。

2015年環境地図テーマの一例

■自宅周辺のマンホール調査MAP
■狛江市自転車放置図
■コンビニと人口の関係
■がんばれ!!福島の作物MAP
■東急田園都市線全駅のバリアフリー
■お年寄りの町、巣鴨の危険MAP

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

東京農業大学第一高等学校中等部
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☎ 03-3425-4481
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