私学探検隊

昨年からSGHアソシエイト校に指定され、グローバルリーダーを育成するESDの教育を実施

アクティブラーニングも含むESD教育の取り組み

横浜女学院中学校高等学校は、昨年、文部科学省からSGH(スーパー・グローバル・ハイスクール)のアソシエイト校に指定されました。これにより、さらに新しい教育活動としてESD(Education for Sustainable Development)に取り組んでいます。ESDの教育とは、「持続可能な開発のための教育」という意味で、この中でアクティブラーニングも行います。
ESDの教育の目的は、「課題解決力を持った女性グローバルリーダーを育成するために、データ分析力、体系的思考力、コミュニケーション能力などの力を養っていく」というもので、さまざまなプログラムを実施しています。今回は同校のESDの教育について、推進プロジェクトチームリーダーで英語科教諭の中越由佳奈先生にお話を伺いました。

学年ごとにテーマを設定したESDタイム

「本校では、週に一度、ESDタイムという時間を設けています。6年間をかけてコミュニケーション、リーダーシップ、分析力、代替案の思考力、交渉力、体系的思考力を身につけていくために、学年ごとにテーマを設定し、取り組んでいきます」と中越先生。「世界で起こっていることは遠い国で起こっているのではなく、私たちのライフスタイルにも深くかかわっています。テーマはあくまでも切り口であり、実はいろいろなことが複雑に絡み合ってつながっているのです。そのことを知り、考え、行動することが大切です」と中越先生は話します。同校は外国人居住者の多い横浜市中区にあり、中3全員の生徒を対象にニュージーランド研修を実施。ほかにも希望者を対象に多彩な海外研修や交換留学のプログラムなどを実施していることから、世界を身近に感じられる環境です。そのような環境も生かし、生徒たちはニュージーランド研修の事前学習や校外へのフィールドワークなども行いつつ、協働作業に取り組んでいます。

各教科の枠を超え大学進学後にもつながる力に

難民問題についてワークショップを行う高1の生徒たち

難民問題についてワークショップを行う高1の生徒たち。11月にはUNHCRを訪問します

ESDの教育の狙いは、地域や地球全体の中で人とつながり、その問題や苦しみ、悲しみを共有し、ともに関わり、解決していく力を身につけていくことにあります。中3のニュージーランド研修では、現地の姉妹校でプレゼンテーションを行い、お互いの文化をシェアします。まず自分たちが日本の伝統文化を知り、伝えることができるように、鎌倉研修でのグループワークや、家庭科の浴衣作りなどの学習の中で学んでいきます。また、中3と高1で多文化共生をテーマとしたワークショップを開催。外部講師の方を招いたり、大学や企業などの外部の活動にも参加します。「教科の枠を超えた多教科横断型で学び、最終的には各自テーマを決め、論文を作成します。国際平和、難民問題、環境問題など、自分に合ったテーマを見つけることで生徒たちの意識も変わります。こうした取り組みが大学での学びにもつながるはずです」と中越先生。生徒たちの多くが広い視野で問題意識を持って行動できる女性へと成長できそうです。

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

横浜女学院中学校
[学校HP]http://www.yjg.y-gakuin.ed.jp/
〒231-8661 神奈川県横浜市中区山手町203
☎ 045-641-3284
最寄駅/JR根岸線「石川町駅」徒歩7分。