一つの正解が存在しない社会で最も合理的な解を選択する力を育む
先端のICT環境が整った教室で楽しみながら議論を深めていく
中学の社会科の授業では週に1度、最新のネットワーク環境を完備した「フューチャールーム」を使用し、テーマに沿って議論を行います。
議論のテーマはさまざまで、例えばある時には自分が外務大臣になったつもりで外交政策を考えたり、歴史的な事件や人物を風刺した絵に対してタイトルを考えたり。まず自分の考えをまとめてから司会・進行役を中心にグループ内で話し合い、グループとしての意見を決め、クラス全体の前で発表。最終的にどのグループの意見がよかったかを全員で考えていきます。
「ここでのルールは、友だちの意見を批判しないこと。発表が終わったら拍手をし、『意見を言ってくれてありがとう』と言葉をかけることで、発言しやすい環境をつくっていきます」こう教えてくれたのは、今回お話しをうかがった社会科の水野修先生。「自分の考えをまとめ伝える力や、友人の意見に共感しながら建設的に話し合いを深め、課題を解決していく力を育みます」(水野先生)
一方、通常の教室で行われる普段の授業でも、話し合いや発言の機会を多く設けています。生徒の発言に対し水野先生が「どうしてそう言える?」「この場合はどうだろう?」と疑問を投げかけながら、生徒の考えを深めています。「教師が生徒に一方的に説明するだけでなく、このように会話をすることで、歴史の起きている事実を追うだけでなく、『なぜこの事件は起こったのだろう』と疑問を持つ姿勢を育みます」(水野先生)
また、中学3年では週に2回、気になった新聞記事を要約し、自分の意見を書いて提出します。完成した文章は授業のはじめに、代表3名の生徒が発表。友人がどのような記事を選び、何を考えたのかを知ります。
「暗記科目と思われがちな社会科ですが、世の中で起きている現象には必ずそれまでの流れや理由があります。『なぜ?』と疑問を持ち、自分なりに考え、これからどうなるのだろうと予測する力を育んでもらえたら」と水野先生は語ります。
大学受験対策につながる記述問題を増やし、表現力をつける
中学校で考える力を磨いたら、高校では論述式のテストを通じてさらに表現力を高めていきます。写真やグラフ資料から何が読み解けるかを記述したり、現象の理由を考え、グループで発表します。
「問題の全体像や本質を理解していないと論述問題は解けないため人によっては難易度が高く感じるかもしれません。それでも、あきらめずに書いてみる姿勢が大切。なぜ書けなかったのか、なぜ間違っていたのかを考え、次のテストに活かせばいいのです。自分なりに創意工夫してやってみるという姿勢を中学までに育み、高校の学習に活かしてもらえたらと考えています」(水野先生)
自由な発想で使う
フューチャールーム完成
iPadを使ったグループワーク
壁のスクリーンとリンクしたiPadを使って、調べものをしたり話し合いを深めたりしていきます。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
和洋九段女子中学校
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