理系志向の生徒が徐々に増加。充実の理科伝統教育
驚きや感動が多いほど知識は実になり、実践力へと結びついていくものです。明治学院の理科では、そのように五感を刺激する授業を実践。30年以上続く校外学習のなかでも、多摩動物公園で行われる中2の場合を例に、吉田理美先生にお話を伺いました。
実物に触れ、実感することで地に足の着いた学びを展開
人間はもちろん、動物はみな〝骨〟が身体の構造の要になっています。では、動物の絵を描くとき、どうすればその動物らしさが出るかご存じですか?それは肘や膝など、骨が曲がるところに注目するといいのだそうです。吉田先生が教えてくれました。「たとえば速く走る動物は、膝から下が長いのです」
なるほど、納得!です。
5月、中2生たちはお弁当を持って多摩動物公園を訪ね、丸一日、このような〝不思議〟や〝発見〟を体験しました。まず、動物飼育員の方のお話を聞いたあと、実際にライオンやキリンなどの頭骨を触らせてもらって歯の形状や身体の仕組みを知り、エサと糞をセットで見せてもらいます。
歯の形、エサ、それが消化されてこの糞になる……。たとえば、あまり咀嚼(そしゃく)しないライオンの歯は上下にしか動きませんが、反芻(はんすう)するキリンの歯は横にズレることを確認。そのあとで、この日のために先生が作ったテキストを手に、実際に動物たちに会いに行き、いま知ったばかりの事実を目の当たりにするわけです。
「自然」に感動する体験は、進路決定のきっかけにも
今年は無脊椎動物として昆虫館、脊椎動物としてライオンなど〝進化の段階が高い〟動物がいるアフリカ館と、カンガルーやコアラなど〝進化の段階が低い〟有袋類がいるオーストラリア館を訪ねました。
ところで、進化の段階の高い・低いとは?「恐竜の尻尾は太いですが、カンガルーの尻尾も太いですよね。似ているんです」と吉田先生。
これまた、へぇ!です。大陸が分かれたとき、オーストラリアには古いタイプの動物が残ったのだそうです。このように、地球の歴史についても話題は及びます。
ちなみに、事前学習として春休みに「自分を観察しよう」という宿題が出されました。自分の歯はどう生えている?毎日どんなものを食べて、排泄物はどうなっている?と、具体的に自分の身体を観察。それをレポートとして提出したあとに、動物園での学習に入りました。
ライオンもキリンも自分も、同じ動物。とはいえ、動物は人間より格下だと思っていた生徒も、「動物には動物の生活があり、それに適した形を獲得している。じつは素晴らしい能力をもっているんだ」と感動するそうです。
「それをきっかけに獣医師の仕事や、動物園のシステム、畜産系に興味をもつ生徒も出てきますね」(吉田先生)
このように、実体験や本物に触れることを重視する理科教育は、生徒たちの進路を確実に広げているようです。併設の明治学院東村山高校では高2からコース制を設けて、「受験コース・文系」「受験コース・理系」「明治学院大学推薦進学コース」のうち、希望するコースで学習を進めていますが、理系志望者が徐々に増え、理系大学への実績も着実に伸びています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
明治学院中学校
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