アクティブラーニングのリーディング・スクール!
ハイブリッドクラスがスタートして2年
昨年(2015年)から「ハイブリッド」3クラスでの体制がスタートし、タブレット端末(iPad)の活用をはじめ、本格的にアクティブラーニングに取り組んでいる工学院大学附属中学校。さらに、この2月には、同校のアクティブラーニニングを牽引してきた教頭の髙橋一也先生が、教育界のノーベル賞ともいえる「グローバル・ティーチャー賞」のトップ10に日本人として初めて選出されたこともニュースとなりました。
アクティブラーニングを本格的に導入した2年目の成果を、中学教務主任の太田晃介先生に伺いました。
「ハイブリッドクラスには英語で英語・数学・理科の授業を行っている『インターナショナルクラス』、そして、文理問わず幅広い科目をバランスよく学ぶ『特進クラス』、さらに、理数系に高い関心をもつ生徒のための『特進理数クラス』があります。全クラスに共通するのは、入学したら生徒一人ひとりにiPadを持たせ、授業で活用すること。たとえば、入学後の2泊3日のオリエンテーション合宿ではiPadで自己紹介のムービーを制作したり、SNSの使い方やネットリテラシーについて学びます。また、各教科の授業でも生徒が自ら考え、積極的に発言・発信していくよう努めています」(太田先生)
中2になったハイブリッドクラス1期生は、iPadを学習するためのツールとして、当たり前のように、上手に使いこなしているそうです。
「中1では基礎を、中2では学んだことを外に広げていくための学習を、中3では中2までで学んだことを海外研修で実践するという目標があります。中2では11月に3泊4日でプロジェクトツアーがありますが、そこでは宮城県石巻市に復興のお手伝いに行ったり、広島女学院と協力して広島アーカイブを通した平和学習をしたり、また、京都では『発信』方法を学ぶことを予定しています」(太田先生)
そして、中3になると夏休みの3週間、オーストラリアのアデレードでホームステイ。現地の大学の授業を受けることも計画しているそうです。
生徒が先生役に。理科のアクティブラーニング
理科の先生でもある太田先生は、現在の中2が中1のときに、生徒が先生役として実験を行うという授業を実施したそうです。実験は「ゾウの歯磨き粉の作り方」「炎色反応」「電磁石」「ドライアイス」「静電気」など。各班に分かれて、実験プリントを作ったり、予備実験をするなど準備には2カ月かけ、クラスメイトの前で実験。
「この授業は、生徒の自主性に任せていました。生徒役の生徒は、『いかにわかりやすい実験であったか』ということを基準に評価しました。ほかの生徒からの評価を得ることで、先生役の生徒も評価するほうの生徒もともに学ぶという授業でしたが、私自身、この授業では『中1でもここまでできるのか!』と驚きました。アクティブラーニングは、生徒はもちろん、教師もともに学んでいくものだと思います」(太田先生)
アクティブラーニングの専門家である髙橋先生がリーダーとなり、月に1回はアクティブラーニングの研修会を行っているという同校は、先生も学び続けているのです。
優しい挑戦者を育てたい
髙橋一也先生は、慶應義塾大学大学院を卒業後、アメリカ・ジョージア大学でアクティブラーニングなど、効果的な教育方法を設計・開発するための「インストラクショナルデザイン」を研究。その経験をもとにした教育を同校で実践しています。同校にはレゴブロックをはじめ、高橋先生が創り出した「学び」の固定観念を取り払う工夫や仕組みがいっぱい。そんな高橋先生は、「世界のことを考えて行動できる『優しい挑戦者』を育てたい」と言います。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
工学院大学附属中学校
[学校HP]http://www.js.kogakuin.ac.jp/junior/
〒192-8622 東京都八王子市中野町2647-2
☎ 042-628-4914
最寄駅/新宿駅西口(工学院大学前)、JR「八王子駅」、京王線「北野駅」、京王線「南大沢駅」、JR・西武線「拝島駅」からスクールバス。路線バスもあり。