私学探検隊

豊かな表現力とコミュニケーション力を育む 言葉を「使える」から「使いこなす」語学教育

中学ビブリオバトル大会でみごと準優勝を収める
早期から英語教育に着目し、力を注いでいるのが聖和学院です。同校では、英語の読み書きをただマスターするだけでなく、コミュニケーションツールのひとつとして、英語で伝え受け止めることを重視しています。そのため、約30年前に英語科を設置したのと同時に、国語科で「表現」という授業をはじめました。以降、表現力やプレゼンテーション力の育成に注力しています。

聖和祭でのビブリオバトル。宮沢賢治以外の本部門では、高校2年生がチャンプ本に

聖和祭でのビブリオバトル。宮沢賢治以外の本部門では、高校2年生がチャンプ本に

中でも3年前から取り組んでいるのが、ビブリオバトルという書評会です。各自おすすめの本をもちより、5分間で本の紹介を行い、読みたいと思う本に挙手や投票をするというルールのもと、チャンプ本(勝者)を決めます。「初年度は、暗中模索な部分もありましたが、続けていくうちに生徒も慣れてきて楽しめるようになりました」と、国語科の栢本さゆり先生。生徒の自主性と自由な発想を制限しないよう、あえて教師がアドバイスを控えたことで、相手を惹きつける話し方や、本の表紙を見せるタイミング等、生徒がお互いを見て、そこから学び合うという環境が生まれたそうです。

そして昨年、初めて開催された中学ビブリオバトル関東大会に当時の3年生が出場し、準優勝という素晴らしい結果を残しました。「出場した生徒だけが結果を出したのではなく、クラスみんなで勝ち取った準優勝ですね」という栢本先生の言葉どおり、クラス予選を経て出場者を決定してからは、クラスメイトが練習に毎日つきあう等、大会当日まで全体で取り組んでいきました。

文化祭では宮沢賢治をテーマに多彩な表現方法で観客を魅了
今年は、競い楽しみながら表現力を養うビブリオバトルを学校全体に広げたいと、6月に行われた聖和祭(文化祭)で、校内大会を開催。生誕120周年である宮沢賢治にちなみ「読書を通じて宮沢賢治について考える」というテーマのもと、2日間にわたり宮沢賢治部門とそれ以外の本部門で、中学1年生~高校2年生までの学年代表1名によるバトルを行いました。なんと、宮沢賢治部門のチャンプ本は、高校生を抑えて中学3年生の本だったそうです。このように学年という枠を超えた結果が出るのも、ビブリオバトルの面白さであり、生徒たちのモチベーションに繋がっているようです。

このほかに今年の聖和祭で注目を集めたのが、中学生全員による演劇『銀河鉄道の夜』と、中学1年生~高校2年生全員による合唱です。合唱には同校を卒業したOGもバイオリン等で参加。学年、世代を超えた交流が生まれ、大きな感動へと繋がりました。また、保護者の方からは、「先輩やOGの姿に子どもの将来像が重なり、これからが楽しみです」との感想が多く寄せられたそうです。「聖和らしい温かみのある企画ができたのではないかと思っています」(栢本先生)。

「本を通じて人を知る・人を通じて本を知る」というビブリオバトルの導入をきっかけに会話が生まれ、生徒同士、生徒と教師の距離が今まで以上に近くなった同校。表現という学びの中で、何度も失敗や成功を重ねて得た力は、2020年に予定されている大学入試改革はもちろん、生徒たちが大学生や社会人になった時、自分を輝かせる大きな糧となってくれるでしょう。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

聖和学院中学校
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