私学探検隊

図書室と連携した言語技術プログラム 「思考と表現」で発想力と論理力を養う

2016年で創立100周年を迎えたトキワ松学園。時を越えて受け継がれてきた女子教育の伝統をもとに、自ら発信・行動ができる「探究女子」の育成に力を入れています。今回は、来年度から本格的に導入する言語技術教育の新科目「思考と表現」について広報部長の中里先生にお話を伺いました。

調べ学習の基礎を学ぶ図書室オリエンテーリングの様子

調べ学習の基礎を学ぶ図書室オリエンテーリングの様子

探究女子を育てるトキワ松の「思考力教育」
「本校では3つの教育に基づいて、自ら課題を発見し、調べて考え、確かな自分の意見を持つ『探究女子』を育成しています。3つの教育とは、思考力教育・国際力教育・美の教育の3つ。その中でも核となっているのは『思考力教育』です」と中里先生。同校は東京の私学で初めて「子どもの読書活動優秀実践校」として文部科学大臣から表彰されるほど図書教育に力を入れていますが、「思考力教育」でも図書室を大いに活用しています。国語だけではなく、その他の教科においても図書室と連携しながら様々な探究型の授業を展開している同校では、来年度から確かな言語技術習得をめざす独自の授業「思考と表現」を本格的に導入します。

言語技術の習得をめざす「思考と表現」
中里先生「思考力教育において『思考と表現』の授業を導入するに至った経緯ですが、長年の経験から『母国語としての日本語』の言語技術的な側面を、きちんと体系立てて教えることで、日本語はもちろん、それ以外の言語についても論理的に考え、表現する事ができると感じていました。また図書教育において、資料を使って調べて考える取り組みや、読書を通じて視野を広げる取り組みをしてきたので、それらを一本化してカリキュラムの中に位置づけることで言語技術の習得をめざそうと考えたのです。今年度は、国語の作文の時間として図書室が中心となり、国語と社会の教員免許を持つ2名の司書教諭が週1時間の授業を担当しますが、来年度には『思考と表現』という新科目としてスタートします。また、再来年度には、高校1年生にも独自の科目として『思考と表現』を展開し、同じく司書教諭が担当する予定でいます。『思考と表現』の授業を通じて、『それぞれの考えを自分の言葉で自信を持って表現することができる』力を本校では必ず育てていきます」

調べ学習の基礎を学び論理的に考える力を身に付ける
中里先生「中学1年生では、まず調べるスキルを身に付けるために、図書室オリエンテーリングを行います。資料を調べるために知っておきたい知識をゲーム形式の授業を通して楽しみながら学ぶのが特徴です。また課題となる対象を理解するために、百科事典の使い方も覚えます。生徒は百科事典の使い方を学びながら、『わたしの好きなもの新聞』の作成をします。テーマを『わたしの好きなもの』とすることで書くことが苦手な生徒も楽しみながら取り組み、思い思いの文章と絵で紹介した作品は、創意工夫にあふれています。あるテーマについて調べ、表現する活動を6年間通して行うことで思考力、表現力の基盤を培うことができます。『思考と表現』で身に付けた力は、大学入試だけでなく、大学入学後、さらには社会に出たときに大きな力を発揮すると考えています」

答えのない問題に対しても、多くの情報を整理し、自分としての答えを持つことができる自立した女性を育てる同校の「思考力教育」に今後も期待が高まります。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

トキワ松学園中学校
[学校HP]http://www.tokiwamatsu.ac.jp/
〒152-0003 東京都目黒区碑文谷4-17-16
Tel. 03-3713-8161

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