私学探検隊

人のため、社会のために勉強するのが〝学び〟。 〝学び〟を大切に、世界に貢献できる生徒を育成する

昨年から「ハイブリッド」3クラス体制をスタートさせ、本格的にアクティブラーニングに取り組む同校。アメリカ・ジョージア大学教育大学院で効果的な教育方法を研究し、その経験をもとに21世紀型教育を実践する教頭の髙橋一也先生に、国際理解教育についてお話を伺いました。

何のために勉強するのか。世界に貢献する「志」を育てる

「勉強と〝学び〟の違いを明確に理解しているのが、本校の特徴です」と、髙橋先生。「従来の日本の教育は、一方的に講義を聞き、答えを早く求めて点数を取る競争でした。本来、〝学び〟とは、何のために勉強をするのかを深く考えるもの。自分のためだけではなく、人のため、社会のために勉強するのが〝学び〟です。一人でする勉強とは違って人と協働して動くため、コミュニケーションスキルが高まり、社会に貢献する心が育ちます」と言う髙橋先生。
さらに、「グローバルな時代のなかで、日本だけではなく、世界に貢献できる人を育てたいと思います。そのために、学校内ではさまざまなプロジェクトを行い、身近な社会問題から学びを取り入れます。

中1ではホームレスへの炊き出しなど自分たちの目で見て体験して学び、中2では広島の中学生と協働して原爆の記憶を風化させない取り組みを行います。中3ではオーストラリアで3週間の異文化体験研修を行い、世界に目を向けます。自分のためだけに勉強するのではなく、社会を良くしたいという志を育てるのが、国際理解教育だと思います」(髙橋先生)

海外の経営課題の解決に挑む。生徒のアイディアが世界で役立つ

生徒がバスケット型のゴミ箱を作り、ペットボトルの回収率をアップ。現地の学校では、ペットボトルのゴミ捨て大会が開催されるほど喜ばれた

生徒がバスケット型のゴミ箱を作り、ペットボトルの回収率をアップ。現地の学校では、ペットボトルのゴミ捨て大会が開催されるほど喜ばれた

「高校では海外の社会問題に目を向け、現地の社会企業家とのビジネスをとおして社会貢献を学びます。昨年はインドネシアのチサロバ村を訪問。道路にあふれるゴミ問題を解決しようと、社会企業家の人がペットボトルを回収して粉砕した粉を販売していますが、村人の意識は低くて回収率は低いまま。生徒が解決のアイディアを発案し、実行に移しました。ある生徒はバスケット型のゴミ箱を作製。おもしろがって捨ててくれる人が増えて、路上に捨てる比率が減るという結果に。ほかにも、生ゴミが路上に捨てられて燃やされるという環境悪化への対策として、稲作の藁をひいてコンポストを作る提案をするなど、生徒の試みは成功を収めました。国際教育とは、英語を勉強することではありません。自分のことだけではなく、人のために役立つ学びをすること。その志を子どもの時から育てるのが重要です」

中1で年間100回の発表の機会。共有して、学びを深める

工学院の学びはグループで話し合い、発表まで行うスタイル。中1だけで年間100回くらい発表する機会があると言います。「プロジェクトを行っては発表する。学校中に広めて同じ社会問題に対して関心をもつなど、学びを共有しています」と、髙橋先生。「勉強は先生から教わったものを一人でやる作業ですが、学びは〝対話〟です。出会いをどう自分に取り込めるのか、人との対話、新しい自分との対話、物との対話、発見との対話など、対話は学校中にあふれていなければいけないと思います。自分の心がオープンでないと吸収できませんし、コミュニケーション能力が高くないと多くのことを学べません。〝出会い〟をどう自分のなかにうまく取り込めるのかが学びのスキルです。個性を発揮できる場所をたくさん用意してあげることが、学校の役目です。自分の好きなことに夢中になり、情熱をもてる子に、ぜひ、工学院で学んでほしいと思います」

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

工学院大学附属中学校
[学校HP]http://www.js.kogakuin.ac.jp/junior/
〒192-8622 東京都八王子市中野町2647-2 Tel.042-628-4914
最寄駅/
JR「八王子駅」、京王線「北野駅」、京王線「南大沢駅」、JR・西武線「拝島駅」、新宿駅西口(工学院大学前)からスクールバス。路線バスもあり。

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