旗印は〝Growth(グロース) Mindset(マインドセット)〟。 未来に必要不可欠な力を培う教育を展開
多言語・多文化のなかで共生するための土台をつくる「21世紀型教育」を実践する工学院大学附属。ハイブリッド3クラス制をスタートして3年目、1期生は中3になりました。英語運用力や問題解決力、創造力はもとより、グローバル市民を目指して、どのように生徒たちを育てているのか。同校の「今」を、校長の平方邦行先生に伺いました。
限界をつくらずにチャレンジ!まず、その精神を身につける
「本校は、Growth Mindsetの学校を目指します」と平方校長。
Growth Mindset(※1)とは、成長思考のこと。チャレンジして、失敗して、そこから学んで成長していこうとする気持ちのもち方です。その反対がFixed Mindset。失敗を恐れたり、一度躓くと「自分には無理」と思ってしまうこと。同校では「自分で限界をつくらずにチャレンジしよう!」という気概と、ノウハウをもった指導が展開されています。
「世界的な動きの中で日本の教育をどうするか。20~30年後にはどんなスキルが必要なのか。学校はそういうことを考えなければなりません」
一つ、象徴的なエピソードを校長は教えてくれました。
「ハイブリッドインターナショナルクラス(下表参照)には、帰国生や英語既習生だけでなく、学ぶ意欲のある生徒も入ってきます。あるとき、『周りのみんなはできるのに、自分はできない』と泣いていた中1生がいました。でも、1年後、その生徒は英検の準2級(中学卒業時での目標)を取得しました。そういう生徒は、ほかにもけっこういますよ」
ここで、その生徒たちがもともと優秀だからと言ってしまうと、それはFixed Mindsetです。スタート地点は人によってさまざま。心の窓にカギをかけず、自分を変容する努力をしようという同校の考えを、生徒たちは体現しているのです。
世界的視野で未来を見つめる「創造的思考力」を育てる
21世紀型教育を象徴するPIL(※2)やPBLをはじめ、自分の人生プランをつくりながら発想力などを鍛える「デザイン思考」、レゴブロックを活用した英語「Learning by making」など、独自の授業を行う同校ですが、Growth Mindsetを促しているからこそ、その指導は画一的ではなく、個々の生徒の芽を見逃さないよう、先生方の目配りは細やかです。
同校には「中学から私学に入れる意味がよくわからない」と言っていた方が、お子さんを受験させるケースもけっこうあるのだそうです。
「教育の転換点といえば、明治維新のときもそうです。伊藤博文が出た松下村塾、福沢諭吉が出た適塾など、私塾で学んでいた若者たちが世界的視野で未来を見つめていったのです。世界と伍すことができる若者を育てることが私学の使命。大転換点の先端にいる今、本校はGrowth Mindsetの学校を目指します。保護者の方は、お子さんのためにGrowth Mindsetの学校を見つけてください」
子どもたちの未来のために、今何が必要なのか。ぜひ一度、同校にお出かけください。
※1 スタンフォード大学の心理学者、キャロル・ドウェック教授の「Mindset理論」に由来するもの
※2 PIL=Peer Instruction Lecture(対話型授業)、PBL=Project Based Learning(問題解決型授業)
●21世紀型教育を実現する3つのクラス
クラス名 | 対象 | 特徴 | 高校になったら |
---|---|---|---|
ハイブリッドインターナショナルクラス | 英語が得意、または好きな生徒 | CEFR(*1)のC1(*2)英語を目指すカリキュラムとグローバル進学指導によって、海外大学への進学を目指す。英・数・理は英語で行うイマージョン授業を実施。 | ハイブリッドインターナショナルコース |
ハイブリッド特進理数クラス | 算数や理科が好き、または得意な生徒 | 理科と数学に重点を置き、専門的知識にふれて科学への高い関心に応え、科学的思考力を深める。他クラスよりも理科の時間を豊富に設置。国内外の理系大学を目指す。 | ハイブリッドサイエンスコース[医歯薬理工] |
ハイブリッド特進クラス | 文系教科が得意、またはまだ具体的に「これをやりたい!」というものがない生徒 | 文理を問わず幅広く学力を高め、自分の興味や特性、将来像をじっくりと見極める。教養を身につけ、深い思考力を培いながら、柔軟な進路選択を可能にする。 | ハイブリッド文理先進コースorハイブリッド文理コース |
*1 ヨーロッパ言語共通参照枠 *2 A1からC2まで6段階あり、大学入試改革で目指すのはB1 ※高校進学時にコース変更が可能な場合もあります。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
工学院大学附属中学校
[学校HP]http://www.js.kogakuin.ac.jp/junior/
〒192-8622 東京都八王子市中野町2647-2
Tel. 042-628-4914
最寄駅/
JR「八王子駅」、京王線「北野駅」、京王線「南大沢駅」、JR・西武線「拝島駅」、
新宿駅西口(工学院大学前)からスクールバス。路線バスもあり。