“本物に触れる” 玉川学園SSHプロジェクト「サンゴ研究」
自分で課題を設定し、実験を組み立てて研究
「全人教育」「探究型学習」「世界標準の教育」を教育の三本柱に掲げる玉川学園は、平成20年からSSH(スーパーサイエンススクール)に指定されています。同校のSSHプログラムでは、自分で課題を設定し、実験を組み立てて研究できる、主体性をもった生徒を育成しています。同校が創立当初から続けている自由研究は、週1回、2時間の授業で、さまざまな研究分野からテーマを決め、研究に取り組みます。今回は、その自由研究のひとつで、都市部の学校では珍しい「サンゴ研究」を担当している今井航先生と、自由研究のほか、クラブ活動でもサンゴ研究部に所属している都築寛源君(高3)と杉浦美帆さん(高2)にお話を伺いました。
都築君はサンゴの白化現象の問題に関心を持ち、この研究を始めたのだとか。白化現象とは海水温の上昇などにより、サンゴと共生する褐虫藻が抜け出してしまうことにより起こる現象で、そのまま褐虫藻が戻らないとサンゴは死滅してしまいます。そこで、光合成の効率を上げることにより白化を防止できないかをテーマに研究を行っています。一方、杉浦さんは水温の上昇と白化の関係を研究しています。「学内でサンゴを育てているほか、夏休みには沖縄や石垣島などに研修旅行にも出かけています。お茶の水女子大学の先生方や学内の環境技術センターなどの機関と提携し、大学レベルの研究を実現しています」(今井先生)
学校が生徒たちの意欲を全力で手厚くサポート
生徒たちは研究の成果を発表する場として、研究に関連する学会にも積極的に参加しています。2016年には日本サンゴ礁学会、2017年には日本生態学会でポスター発表を行い、優秀賞を受賞しています。受賞した一人である都築君は、「受賞を聞いた時は嬉しいというよりホッとしました。それくらい時間をかけて調べて、知識を身につけた上で発表に臨みました。玉川学園は生徒の意欲に対して、全力で手厚くサポートしてくれます。先生方には他大学の教授など、いろいろな方を紹介していただけるので感謝しています」と話します。大学は理系学部への進学が決定したとのこと。後輩の杉浦さんも「イソギンチャクを利用した白化現象のメカニズム解明の研究に取り組んでいます」と話してくれました。「今後は、幼生から育成したサンゴを石垣島に戻せるように、水槽のサイクルを確立し、白化現象を減らせるよう、貢献できたら」と今井先生も話します。学校内でサンゴを研究することは、決して簡単なことではありませんが、生徒たち一人ひとりが真剣に取り組み、先輩から後輩へと着実に受け継がれています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
玉川学園中学部
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