「チャレンジ」を合言葉に、共学1期生たちが今、未来に向けて出航。目的地は「勇者」
日野田直彦校長をリーダーに学校大改革を推進し、武蔵野女子学院から武蔵野大学へと校名を変更、共学に生まれ変わりました。掲げるテーマは、「グローバル&サイエンス」。「世界を救う勇者」を目指して「チャレンジ」を核に、「マインド」と「スキル」、「リーダーシップ」を育むことが同校の学びの柱になります。スタートを切ったばかりの新しい学校の様子を、入試広報部長の小幡武憲先生に伺いました。
未来へ向けて出航。合言葉は「チャレンジ」
同校が掲げるテーマ「グローバル&サイエンス」には、「自分を語ることができ、世界のどこにいても活躍できるスキルを養う」「論理的・科学的思考力を培い、トライ&エラーを繰り返してチャレンジし続ける」精神を獲得するという思いが込められています。そのマインドとスキルを、6年間で醸成していくのです。
同校がめざす人物像は極めて明快。「それは『勇者』です。勇者とは、隣に困っている人がいたら、どうすればうまくいくかを一緒に考えられる人のこと。それができなくては、世界を救うことはできませんから」
そこで最も重要になるのは「マインドセット(※1)」ですが、そのためには日野田校長が示す、次の2つがキーになります。
❶幼稚園児のように学ぶ
❷1時間考えて一つの答えを出すよりも、30秒で一つの答えを出して120回トライ&エラーを繰り返したほうがいい
これはスタンフォード大学で言われていることですが、同校の教育哲学そのものでもあります。
来年は、男女のバランスがとれた共学校に
そして今春、新たな学校として船出した同校ですが、「受験生層や人数規模でも大きく変わったことを実感しています。意図した通り、さまざまな資質を持った生徒が集まりました」と、小幡先生。
教科型に加え、「思考力」や「プレゼン」「適性検査型」など、多様な入試で今年入学した生徒は138名。そのうち男子は29名ですが、来年以降、男子は確実に増えそうです。というのも、今年のこれまでの説明会参加者の男女比率が同数に近くなってきているからです。
男子は、4クラスに均等に配属していますが、その男子たちの様子はといえば、「人数は少ないものの、パワーにあふれ、クラスの舵取り役をする生徒もいます。とはいえ、女子も負けてはいませんが(笑)。みんなで刺激しあって、あちこちで化学反応が起きていますね」
クラブ活動については、自分たちで立ち上げるくらいの自主・自立をめざしてほしいと、男子のために学校が創部することはしませんでした。
そして入学して数カ月、早速サッカー部が誕生。男子たちが企画書を作り、校長に掛け合ったところ、「これじゃ、まだダメ」と却下され、2~3回やり取りをした後、晴れて創部となりました。同じように、硬式テニス部、レゴ部も創部されました。また、ある男子はオール女子の「ダンス部」に入部して、楽しく活動しているそうです。
共学1期生の男子たち、なかなか気概がありそうです。
「Yes,and~」の姿勢で合意形成を図る学びを展開
では、一例を挙げて中1の学びの様子をお伝えしましょう。
同校オリジナルの授業に言語活動である「L&Aプロジェクト(※2)」があります。これは、中学3年間実施される、国語と英語の枠を超えた「言語の4技能」と「アカデミックスキル」を身につけるもの。授業では、「自分を知り→他者との違いを受け入れ→一人ひとりが課題に対する暫定解を出し合いながら最適解を見つける」ことを繰り返し行います。まずは日本語で、次に英語で。
「中1の前期は『自分を知る』がテーマでした。校長がよく言う『Who are you?』と問われた時に、自分のことをきちんと話せるようにするためです」。ブレストを行ったり、マインドマップやベン図を使って自分と他者を比較し、自分を深掘りしていくのですが、重要なのは生徒同士で心理的安全性を担保すること。「人前で自分のことを話すのは恥ずかしいかもしれません。ですから、一人ひとりの個性を尊重し、評価してあげようというところからスタートしました。対話の中で自分と異なる意見を持つ人がいても、否定するのではなく『Yes,and~』を大切にしようと。これは、クラスの雰囲気作りにも役立っていますね」
「Yes,and~」を大切にする姿勢は、同校の教育姿勢そのものと言えます。「そうだね。でも、こういう考え方もあるんじゃないかな」と。
「まだスタートしたばかりですので、授業法一つとっても、生徒と共に楽しみ、築き合いながら、我々教師も学んでいるところです」
さまざまなプログラムで生徒の意欲が芽吹き始めている
学校自身が「チャレンジ精神」に満ちているからこそですが、「トライ」を決めたら素早く「ドゥ」に移行する同校。この夏休みには、早速「アントレプレナーシッププログラム(※3)」が実施されました。
「英語を話せなくてもいいからチャレンジしてみて」という校長の声がけに、中3以上の約30名が参加。また、外部機関と提携した国内サマーキャンプ(中1~)の参加者を募ったところ、40名の定員を大幅に上回り、2回に分けて実施することに。
「チャレンジすることが大事」「トライ&エラーでいいんだ」という、シンプルかつダイナミックな指針の下で、生徒たちは意気揚々と学びを進めています。
さまざまな体験を経た夏休み明けには、「マインドセット」をさらに1ランクアップさせた生徒たちの姿が学校中にあふれているはずです。
高1では、「LAM(※4)」を実施。7種のスペシャル講座は、すべて専門企業・機関とタイアップして行われます。先生方が直接足を運び、協力企業を探したのも同校らしいところ。教科学習では学べないことを体験し、知見を広げていきます。
また、同校は来年度から高校も共学化されますが、先頃3コースのうち「PBLインターナショナルコース」の説明会告知をしたところ、70名の定員に約300名の応募があったとか。長期留学が選択肢に含まれ、海外大学進学を視野に入れた同コースにも熱い視線が注がれています。
※1 マインドセット…物事に取り組む基本姿勢のこと
※2 L&Aプロジェクト…Language & Academic Skill/中1は「自分」、中2は「自分と他者」、中3は「自分と社会」と学年ごとにテーマを設定し、徐々に視界を広げていく
※3 アントレプレナーシッププログラム…マサチューセッツ工科大学への2週間の海外研修で、当地の起業家と共に社会課題を自分事として捉える、起業家精神を養うもの
※4 LAM…Liberal Arts Musashino/リベラルアーツの授業
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
武蔵野大学中学校
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