学年の垣根なく部員同士が協力し合って技術を磨き、自分の弱さを乗り越えながら仲間と勝利を目指す。畳の上で真剣勝負を繰り広げるかるたクラブに注目
恵泉女学園のかるたクラブは、今年で7年目と同校の中では比較的新しいクラブです。創部当初は中学3年生8名のみでしたが、現在は中高あわせて20名ほどに増え、数年前からは個人戦だけでなく団体戦にも出場するようになりました。
面倒見のいい先輩たちが百人一首の覚え方から指導
かるたクラブは平日2日と土曜日の週3日、学園創立当時の建物である日本間を利用して活動をしています。「新入生はほぼ初心者で、雰囲気がよかった、やってみたら楽しかったと入部してくる生徒が多いですね。みんな面倒見がいいので、百人一首を知らなくても先輩が教えてくれますよ」と、顧問の引地桂子先生が話すように、覚え方のコツやルールを先輩方が丁寧に教えてくれます。夏には2泊3日で御岳山での合宿も実施。合宿中は初心者、上級者などのグループに分かれ大会を行います。スポーツのように勝敗がはっきりつくかるただからこそ、部内の大会とはいえ生徒たちも勝ち抜くために本気で挑んでいます。
部員同士で練習試合を重ねながらお互いに技術を高め、絆を深める
かるたは1試合が約1時間半。大会で3位入賞するにはおよそ4試合勝つ必要があるため、集中力を持続させるスタミナが必要です。そのため普段の活動では、一人ひとりが目標をつくって取り組み、試合が終わるごとに「ここは結構攻めていたよ」「ここはよく取られているエリアだから、気をつけて」など、部員同士で反省やアドバイスをしながら、主に対戦形式で練習を重ねています。「個人戦では札を払う音だけが響きますが、全国高等学校かるた選手権など5人が同時に戦う団体戦では『ドンマイ』『ナイス!』など仲間から声援が飛びます。それが励みになることもあるし、逆に集中力が途切れてしまうこともあるので、雰囲気に慣れるという意味でも実戦形式が中心ですね。それに、せっかく相手がいるんですから、練習でも対戦したほうが楽しいですよね」(引地先生)。
アットホームな雰囲気の中自分のペースでかるたの魅力を発見
「ゼロから始めてぐいぐい成長していく生徒、成長がゆっくりでも楽しさを見つけていく生徒など、自分なりに面白さを発見できるところ。そして、試合では真剣、休憩時間は学年関係なくアットホームな雰囲気なところが恵泉のかるたクラブの特徴です。初心者でも気後れすることなく、自分のペースで楽しむことができますよ」と引地先生。
自由な校風の中、さまざまな生徒がお互いの違いを尊重し合いながら協働し、目標へ向かって学びを深める恵泉女学園。かるたクラブは、そんな恵泉らしさ溢れる素敵なクラブだと実感しました。
歌が聞こえた瞬間と手を伸ばした瞬間が重なるように取れると、普段では得難い充実感と満足感があります。負けると非常にくやしく辛いこともありますが、負けを受け入れることでさらに強くなっていきます。かるたクラブは、仲間としての絆が強いですね。個人戦ではねばれなくても、団体戦では「先輩に勝利をプレゼントしたい」「仲間のために頑張る」と、いつも以上の力を発揮する部員もいます。だから、負けた時は悔しさから涙してしまうことも……。一緒に笑ったり、喜んだり、泣いたり、素直に気持ちを表現しながらかるたに取り組む部員たちは、私も一緒に分かち合いたいと思うくらい、キラキラした青春を送っていますね。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
恵泉女学園中学校
[学校HP]https://www.keisen.jp/
〒156‐8520 東京都世田谷区船橋5‐8‐1
Tel. 03‐3303‐2115
最寄駅/
小田急小田原線「経堂駅」「千歳船橋駅」徒歩12分。
京王線「八幡山駅」から小田急・京王バス「桜上水二丁目」徒歩2分。