自分たちの身近なこととしてとらえる 「SDGsで考える未来への行動」
自分たちが今できることを未来へつなげていくために
鎌倉学園中学校では、現在の中学3年生が2年生のときから道徳や総合学習の時間を使って、SDGsの活動に取り組んでいます。SDGsとは2015年9月の国連サミットで採択された「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」のこと。2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標で、17のゴール・169のターゲットから構成され、地球上の「誰一人取り残さない」ことを誓っています。
まずは、SDGsとはどういうことか、新聞で世界の問題を知ることからスタートさせました。「世界で起こっている問題は、わかっていても遠い国の話として実感を得られないことが多い。そこで、生徒たちが普段接する身近なこととして考えさせることから始めました」と、3年生担当の清田慎太朗先生。「例えば、パーム油。チョコレートやカップ麺、洗剤などに使われているもので、私たちが日常的に口にしたり、利用したりしています。このパーム油を生産するためには広大な熱帯雨林が伐採されています。今まで無意識に食べたり使ったりしていたものが、環境破壊や地球温暖化、生物の生態系の破壊につながっていることを知ることで、自分たちがどんな行動をすべきか考えるきっかけになります」。
自分のこととして考えるとおのずとできることが見えてくる
ほかにも、今広く注目されているプラスチックごみ問題も同様。鎌倉学園は近くに海があることから海洋汚染については生徒たちも身近なこととしてとらえていました。問題としては地球規模ですが、個人でもできることがあることを生徒たちは自分で考え、ペットボトルを使わないようにしたり、ごみの分別を徹底したりするなどに取り組むようになりました。「問題点に共感するだけでなく、小さなことでも自分たちでできることに気づき、行動を起こすことは大きな成長だと思います」。実際、学校内で出るペットボトルのごみが激減するという、一つの“成果”があったそうです。
いつ、だれと、どうやるか一緒にできることを考える
次のステップとして、学校のある神奈川県内で行われている取り組みについて調べました。生徒たちは、企業や組織、施設といった大きな単位だからこそできることがあることを知り、神奈川県のSDGsマップを作製。一つの活動をいろいろな人と一緒に取り組めることや、人と人、企業と企業が協力し合うことで、活動の繋がりや、もっと大きな取り組みができることなどを考えていきます。3年生担当の佐藤洋平先生は「私たち教員が教えるのではなく、生徒が自分で気づき、行動することが大切。実際、自分たちで調べていくことで多くの気づきがあり、自分で気づいたことだからこそ、行動したいという思いも強くなります。こうして自分たちで調べたことや取り組んだことをクラスや学年全体で発表し、さらに深めていきます」。
何かを始めれば繋がっていく
海外研修で深める思い
鎌倉学園では中学3年生、高校1、2年生で海外研修を行っています。ベトナム、ボストン、ヨーロッパの3エリアから選んで行く研修の際、現地の取り組みを調べたり、目にしたりすることで、SDGsへの理解を深めていけます。
SDGsを通して世界の諸問題を知り、その問題に対して自分たちは何ができるか、そして何か行動を始めればだれかと繋がっていくことを実感していく生徒たち。「高校生になってもさらに探究を深め、取り組んでいくことを期待しています」と佐藤先生。今後、さらなる取り組みがどう行われるのか、生徒たち一人ひとりがどのように2030年を迎えるのか、とても楽しみです。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
鎌倉学園中学校
[学校HP]https://www.kamagaku.ac.jp/
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最寄駅/
JR湘南新宿ライン横須賀線「北鎌倉駅」徒歩13分。「北鎌倉駅」、JR湘南新宿ライン横須賀線・江ノ島電鉄線「鎌倉駅」から江ノ電バス「建長寺(鎌倉学園前)」。