私学探検隊

「人として成長させてもらえた学校」若手卒業生教員が語る、立正教育の魅力

大田区・西馬込の地にある立正大学付属立正中高には、72名の専任の先生方がいます。そのうちの10名は、ご自身も立正で中高時代を過ごした卒業生教員だそうです。今回は、「中高6年間を立正で学び、人として成長することができた」と口をそろえる4名の先生方に、卒業生だからこそわかる立正中高の良さから、母校で指導するにあたり、後輩となる生徒たちに伝えていきたいことなどについて、取材しました。

厳しくも常に生徒のためを思う立正の先生の姿が理想の教師像

先生と生徒の距離が近い点は、生徒さんからも立正中高の良い点との声が多いです。

先生と生徒の距離が近い点は、生徒さんからも立正中高の良い点との声が多いです。

――教員として、母校に戻ってこようと思った理由はどのようなものでしたか。
東根先生 私にとって、中高でお世話になった立正の先生方は、まさに理想の教師像だったからです。中学入学当初、まだ小学生気分を引きずっていてやんちゃな部分も多い生徒だったのですが、立正の先生方は厳しくも、常に自分のことを思って指導をしてくださいました。そうやって、生徒を大人にさせてくれる立正の先生方と共に、生徒たちの成長を導きたい、そう思って母校に勤務することにしました。
野津先生 立正の先生方は、物事の善し悪しを身につけさせる指導をしてくれるというのは、私も同感です。勉強ができる、スポーツができる、という以前の、人として大切にすべきことを教わった中高時代だったと私も思います。そういう先生方の支えがあったからこそ、学校生活が楽しく充実していました。そこに惹かれて、母校の教員になりました。
関 先生 私自身は、小学生の頃から漠然と将来は先生になりたいと考えてはいました。立正に入ってバスケ部で中高ともにキャプテンを務める経験をするうちに、人前に出て何かを伝えることが自分の得意分野なのではないかと考えはじめ、その長所を活かせる職業として、改めて教員を志すようになりました。卒業後、中高時代に成長させてもらえた実感を持っていたことと、ちょうど馬込の新校舎ができたタイミングだったこともあわせて、新たな立正の一員として働きたいと思い、母校で教壇に立つことにしました。

スモールステップで「できた」という成功体験や記述力・表現力を伸ばす

――今、学校説明会などで掲げられている「得意分野を活かして社会で活躍できる人を育てる」という教育方針を、関先生はまさに体現されたのですね。実際、後輩となる生徒を指導する立場になって、教科指導や生活指導面で大切にされていることを教えて下さい。
関 先生 今、中学生の担任をしていますが、まずは「できた」という成功体験を積み重ねてもらいたいと考え、指導しています。生徒たちを見ていると、失敗を恐れて一歩踏み出せない、どことなく自信がない生徒が多いように思われるからです。
例えば、英数国の3科目で頻繁に行われる「小テスト」を、本当に少数の5問程度の出題として満点のハードルをさげています。少し準備をすれば、満点が取れるという小さな成功体験を重ねた結果、テスト前の休み時間の過ごし方が変わり、テストの準備をする習慣が育ってきました。小テストでのこの経験を、定期考査の準備にもいかし、力を発揮できる生徒も増えてきました。
また、本校独自のプログラム『R-プログラム』の一環として、毎朝のホームルームで取り組む「コラムリーディング&スピーチ」がありますが、初めから、コラム記事に対する自分の意見をすらすらと書ける生徒はほとんどいません。文章を書くことが苦手な生徒には、コラムを読んで考えたこととそこから関連するキーワードをマッピングメモとして書かせることで、文章の内容をふくらませるようサポートしました。意見文の発表も、最初からクラス全員の前でのスピーチは難しかったので、少人数の班の中での発表からはじめ、徐々にクラスの前に出て話せるように段階を設けました。
東根先生 私は歴史の授業を受け持っています。歴史は暗記科目と思われがちなので、「なぜこの史実が起こったのか」と根拠を考えさせるような授業をこころがけています。地図や資料を使って「なぜ?」を考えるよう、授業内で繰り返し問いかけていったところ、史実の理由を問うテストの回答でも、説得力のある文章を書ける生徒が増えてきました。『R-プログラム』ともつながりますが、生徒たちの記述力・表現力を、授業の中でも伸ばしていきたいです。
竹島先生 「日頃の積み重ねが成果を生む」という話は、よく生徒にしていますね。私は現在、高3の特進クラスを担任していますが、受験勉強はまさに、計画→実行→成功体験の繰り返しです。1科目でも、自分で立てた計画どおりに実行できて成果につながると、志気が上がり、一気に“受験生”になっていきます。受験は個人戦ではなくチーム戦です。グループやクラス内で教え合って、競争心をもって切磋琢磨していくことで、全体のレベルが底上げされますし、仲間がいるからこそ、最後まで頑張りとおせるのです。

できるようになるまで生徒をあきらめない熱い「面倒見」を受け継ぐ

野津先生 高校の進学クラスは、推薦入試で大学を目指す生徒が大半のため、まずは将来のやりたいことを書き出させることから始め、面談をしながら大学のことを一緒に調べたり、自己推薦文の個別添削をしたりと、生徒の進路希望に添う指導を心がけていました。
ですが、本校の「面倒見」は、手取り足取りお膳立てすることとは少し異なるように思います。生徒たちができるようになるまで見捨てずに、しつこく追いかけてやらせる教員が多いです。受験生保護者の方には、その点は安心してお預けいただければ、と話しています。
関 先生 そうですね。例えば私も、日々の宿題の優先順位付けが苦手な生徒には、こちらから順番を指示するのではなく、優先順位を考えるための表を使うようすすめるなどしています。立正は、ヒントを多くくれる学校だと思いますし、その方針は受け継いで生徒に接しています。
竹島先生 生徒が間違った行動をしてしまった時に、「過去は変えられないから、その後の振る舞いをどう変えていけるかが大事だ」という指導もしていますよね。例えば、課題を期日に出せなかった場合も、放課後までに仕上げて出すように、など。
中高生ですから、失敗はつきものです。ですが、失敗も含めて、生徒たちの成長をサポートする教員陣が本校にはそろっています。「失敗することは悪いことではない。だからためらわずにチャレンジしていこう」と、生徒たちの背中をこれからも押していきたいです。

卒業生教員の先生方の思い出に残る立正中高のクラブ・行事
 立正祭 
関先生と野津先生が思い出の行事とあげた立正祭(文化祭)。現在も立正中高の三大行事の一つです。「すべての学年の生徒が1つのお祭りを作り上げるために準備をかさねる光景が良いものでした」(関先生)「私は高1の時に立正祭の委員をしていました」(野津先生)
※2020年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため中止

 身延山オリエンテーション 
竹島先生と東根先生が思い出の行事とあげた身延山オリエンテーション(中1・高1)。「現在は4月末に実施していますが、私たちが在学中は入学式前の実施でした。初めて出会うクラスメイトと初めて仏教に触れる体験は、強く印象に残っています」(竹島先生・東根先生)

 バスケ部 
関先生が中学・高校でいずれもキャプテンを務めていたというバスケ部は、プロバスケットボールチームとの交流・指導もあるそう。関先生自身は、現在はゴルフ部の顧問をされています。

 サッカー部 
東根先生が中高で打ち込んでいたサッカー部。立正中高運動部の中で最大の部員数を誇る人気クラブです。
「顧問としてサッカー部の運営に関わるようになって初めて、部活動の運営にはさまざまな業務が必要とわかり、新鮮な気持ちで部活に携わっています」(東根先生)

 弓道部 
竹島先生と野津先生が中高時代に所属していた弓道部。現在は、お二人とも顧問として、生徒に技術指導もされています。「高校生の先輩の姿から、自分本位で行動せずに他者のことを考える姿勢を学びました」(竹島先生)

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

立正大学付属立正中学校
[学校HP]https://www.rissho-hs.ac.jp/
〒143-8557 東京都大田区西馬込1-5-1 Tel.03-6303-7683
最寄駅/
都営浅草線「西馬込駅」徒歩5分。JR・東急池上線・都営浅草線「五反田駅」、JR「川崎駅」からバス「立正大学付属立正中高前」徒歩2分ほか。スクールバス:JRなど「大崎駅」からあり。

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