授業の振り返りやまとめ学習にICTを有効活用
スキルアップが目的ではなく、授業の補助ツールとして活用
新型コロナウイルス感染拡大を受けての休校期間中、橘学苑中学校では、オンライン授業を進めました。
「グーグルクラスルームやグーグルミートを使い、ホームルームや双方向授業を行いました。高校では、YouTubeを使った動画配信も。教員の予想以上に生徒たちはスムーズに順応していました」と、入試広報部長の高畠とも子先生。
もともと今年度から本格運用の予定で学内のネットワーク環境の整備などICT教育を構築してきたことが、コロナ禍にも慌てず、役立ちました。
「授業では手を挙げることが少なかったのに、タブレットではむしろ積極的に反応する生徒がいるという、オンライン授業ならではの意外な発見もありました」(高畠先生)。
同校ではロイロノート・スクール(授業支援サプリ)を導入し、授業の振り返りや提出物の配布・回収、まとめ学習などに利用しています。中3の短期海外研修(希望制)の事前学習をしたり、総合の時間や道徳の授業での学びをポートフォリオに蓄積。記録や振り返りで理解を深め、次の学習や課題に生かすツールとして活用しています。
生徒たちにとって、ICTはすでに生活に根付いたツールであり、ICTスキルは確実にアップしています。だからこそ、「ICTを使いこなすことが目的ではなく、授業を効率的に行う補助ツールとして利用することが大事」と、教務部ICT担当の森上需先生は話します。
調べて、まとめて、整理するという一連の学びの中で、生徒が自ら考え、論理的思考力や想像力を養っていくための有効なツールとして、「ICTを使うとこんなこともできると、生徒たちをワクワクおもしろがらせること。それが教員の役目であると考えています」(森上先生)。
「手で文字を書く」習慣を定着させる連絡ノート
こうしたICT教育を進める一方で、同校では「文字を書く習慣」も重視しています。その一つが、連絡ノート「橘学苑物語」の活用です。
毎日の学習状況を記録し、生徒本人と保護者、担任で共有するオリジナルノートです。今日の宿題・メモ欄・一日の感想などを書くスペースがあり、連絡事項や気づいたことを書き込んだり、保護者や担任の言葉を書く欄もあります。
生徒たちは何を書いてもいいし、書き込むことがなければ空白でもOK。日々の記録であり、振り返りや学びの整理に役立つノートです。
「スマホの使用などで、生徒たちは日常的に手で文字を書く機会が失われています。たとえ短い文章でも毎日書くプロセスを繰り返していくことで、思考力が育っていきます。たった一言しかない日があっても継続して読んでいくと、生徒の成長の跡が見えてきます」(森上先生)。
今後の社会生活で必須のICTスキルと、「手で文字を書く」というアナログな過程を両輪として、AIに負けない強い心を育んでいます。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
橘学苑中学校
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