私学探検隊

各教科が図書館と連携して行う読書教育で豊かな読解力や思考力を育む

多くの作品に触れることで視野を広げる本の力

蔵書数が多く、たくさんの生徒達が利用する図書館。本の貸出・返却だけでなく、放課後は自習する生徒の姿も

蔵書数が多く、たくさんの生徒達が利用する図書館。本の貸出・返却だけでなく、放課後は自習する生徒の姿も

読書教育に力を入れる昭和学院秀英では、図書館と各教科が連携することで、生徒自ら図書館に出向き本を手に取りやすい環境が整っています。
中学1年生では、図書館などで自分が選んだ本を紹介するコミュニケーションゲーム「ビブリオバトル」が行われました。夏休みに本を読み、クラス内で本について発表して生徒達の投票によって代表者を選出し、予選を勝ち抜いた生徒5名は小講堂で5分間のブックトークを行い、優勝者を決めます。国語科の染谷智恵子先生は「スピーチによって人に伝える力が身につきますし、友達のスピーチによって多様なジャンルの本への興味も広がります」とビブリオバトルの魅力について教えてくれました。
また国語科では、朝自習の時間に夏目漱石や志賀直哉といった近代文学作品を全員で読む取り組みを行っています。わからない言葉があれば調べ、語彙力を高めながら作品を理解していきます。「現代は思考力を使うことなく楽しめるメディアにあふれていますが、生きるうえで論理的にものを考える能力は必要です。本は、自分で情報を整理しながら読まなければならないので、読めば読むほど思考力を鍛えることができます。また、作品を通じて他者を思いやる想像力を育むことができます」(染谷先生)。最近では生徒から次に取り上げてほしい作品のリクエストがあがってくることもあるそうで、読書への興味が高まっていることを感じるといいます。

充実した洋書コーナーで一人年100冊の読書量達成

英語科では、中学2年生から、読んだ洋書を記録する「多読ノート」を作成し、気に入ったセンテンスを英文で書いてもらうことで、質のいい文章のインプットを増やす取り組みを行っています。「英語の力を伸ばすためには、できるだけ多くの英文に触れることが重要です。授業内だけでは読める量に限りがあるので、自発的に本を読む必要があります。ただ、英語の書籍は何を読んでいいのかわからず手を出しにくい。このため、図書館の一角に生徒の興味をひく洋書コーナーを設けてもらうことで、生徒たちが洋書を手に取りやすくなるようにしました」と話してくれたのは、英語科の鵜澤菜摘子先生。
鵜澤先生が生徒達にすすめているのは、辞書を使わなくても8割読めるレベルの洋書だといいます。「難しすぎると挫折してしまいますが、8割読めればあと2割を推測しながら読み進めることができます。難解に思える洋書でも、自分の語彙力で読めることがわかると自信につながりますし、授業で習ったフレーズが実際に使われていることがわかると、学習意欲も高まります」(鵜澤先生)。図書館にはレベル別のシリーズもあり、生徒達は自分の英語力が伸びていることを実感しながら読書をすることができるといいます。
図書館司書の斉藤真奈美先生は、「国語科や英語科をはじめ、授業のなかで図書館利用をすすめてもらうことで、以前よりも利用者が増えた」と語ります。「蔵書構成は、授業・学習に関連する書籍ばかりでなく、楽しみ読書の本もあり、生徒からのリクエストにも応じ、気軽に手に取れるようコーナーも設けています。誰でも“自分の1冊”に出会うことができると思います。今後も、生徒が利用しやすい空間を提供できるよう、環境・蔵書の充実に心を配っていければと思っています。」(斉藤先生)

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

昭和学院秀英中学校
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