星美学園中学校が2022年度より校名を変えて共学化
創立者の理念を引き継ぎつつ社会の変化に対応
創立以来、女子校として人間教育に力を注いできた星美学園が2022年度より共学化。校名も変更し、新たなスタートを切ります。今回は副校長の小泉三千代先生に、共学化の経緯や大改革の内容についてうかがいました。
「学校法人星美学園は、カトリック女子教育修道会である扶助者聖母会(サレジアン・シスターズ)によって創設され、社会に貢献できる女性を育成してまいりました。一方、今日の社会の状況は創立時から大きく変化し、急激なグローバル化、AI・ロボットテクノロジーの進展の中で、先例のない諸問題に向き合い、解決していく力が求められています。これからの時代で活躍するためには、他者に共感し、性別や国籍などの境界を越えて協働していく力が必要となっていくことでしょう。本校は世界97か国に姉妹校がありますが、ほぼすべての学校が共学化しており、多くの卒業生を輩出しています。本校でも、より多様性に富んだ学習環境の中で一人ひとりの個性を磨くため、学校改革を進めて参りたいと思います」(小泉先生)
校名は設立母体「サレジアン・シスターズ」から名前をとり「サレジアン国際学園中学校高等学校」に変更。「21世紀に活躍できる世界市民の育成」を教育目標に、創立者であるドン・ボスコが提唱した理念に基づいた国際教育を行っていきます。
全教科でPBL型授業を導入
考える力をつける
社会を形成する「世界市民」として貢献していくためには、次の5つの力を伸ばしていく必要があると小泉先生はいいます。①心の教育 ②コミュニケーション力 ③言語活用力 ④数学・科学リテラシー ⑤考え続ける力。
①は、本校がこれまでに大切にしてきた教育で伸ばすことができます。②~⑤の力を獲得するために、全教科でPBL(Project based Learning)型授業を導入。単元ごとに教員から与えられるトリガークエスチョンについて自分で考え、グループで話し合いながら解を導き出し、ICTを活用して発表することで、主体的に学んでいきます。
また、本科クラスとインターナショナルクラスの2コース制とすることで、生徒一人ひとりの希望進路にあわせたきめ細かな指導を行っていきます。
本科クラスは探究型の学びを深めるクラス。テーマを決めて探究活動を行い、小論文を執筆し、文化祭で発表します。また、現在週6時間としている英語を週に8時間設け、世界市民としての確かな英語力を獲得していきます。
インターナショナルクラスは週に10時間の英語授業で、国際感覚を養っていきます。クラスはStandard GroupとAdvanced Groupに分かれ、Advanced Groupの英・数・理・社の授業は、外国人教員によって英語で行われます。
「Standard Groupの生徒は、Advanced Groupのネイティブに近い英語を日常的に聞くことで英語力が伸び、グループをまたいで日本語やほかの科目などを教え合うこともあるでしょう。行事やクラブ等は学校全体で行われるため、クラスを超えて交流し、仲間のために行動していくことも期待できます」(小泉先生)
大切なのは、身につけた知識をどう使うか
本科クラスとインターナショナルクラスのStandard Groupにおいては、入試における英語の試験はありません。2科または4科から選択します。また、4科から自由に2科を選択できる自由選択入試、本科のみ適性検査の21世紀型入試を導入します。Standard Groupは日本語の面接も加わります。
インターナショナルクラスのAdvanced Groupは、英語の筆記試験、英語エッセイ、日本語と英語による面接を課しています。CEFRでB1レベル以上の資格を有している場合は、英語の筆記試験が免除されます。
「これからの世界を舞台に活躍できるように、中高6年間かけて様々な知識と力を身につけてほしいと思います。ただ、最も大切なのは、6年間で培った力をどう社会に還元していくかということ。グローバル社会のなかで、自分は何ができるのか? 自分自身と周りの人たちのためにどう動いていけばいいのか? 6年間で、これからの生き方についてぜひ考えてほしいと思います」。
創立者ドン・ボスコの理念を受け継ぎ、共学化してもこれまでと変わらず「慈愛の心」で一人ひとりの生徒と向き合う同校。安心して学びを深めていける環境が整っています。
①心の教育
創立者ドン・ボスコが提唱する「予防教育法」に基づき、慈愛の心や人間性を育む。
②コミュニケーション力
価値観の違う人を理解し、意思疎通をはかりながら協力して問題を解決していくための力をつける。
③言語活用力
日本語や他言語を用いて考えを表現する力。特に英語については、「英語で思考し、豊かに表現する力」を育成。
④数学・科学リテラシー
論理的にものごとを考え解決していく科学的な思考力と、ICTリテラシーを育む。
⑤考え続ける力
初めて遭遇する諸問題に対処するために、継続して物事を考えるタフな思考力を育てる。
中学校 | 本科クラス | ・週8時間の英語授業 ・テーマを決めて「個人研究」を行い、小論文を執筆。文化祭で発表 ・理数教育にも注力 |
インターナショナルクラス (Standard Group/Advanced Group) |
・英語力別の授業展開 ・どちらのグループも、週10時間の英語授業 ・Advanced Groupの英・数・理・社の授業は外国人教員が英語で実施 |
試験日 | 2月1日(火) | 2月2日(水) | 2月3日(木) | 2月4日(金) | ||
午前 | 午後 | 午後 | 午後 | 午後 | ||
第1回 | 自由選択入試 | 第2回 | 第3回 (スカラシップ) |
21世紀型入試 | ||
学力試験 | 本科 | 2科または 4科 |
自由選択2科 | 2科または 4科 |
2科または 4科 |
適性検査 |
インターナショナルクラス/ Standard Group |
- | |||||
インターナショナル クラス/ Advanced Group |
2科(英語・英語エッセイ) | - | 2科(英語・英語エッセイ) | 2科(英語・英語エッセイ) | ||
面接試験 | インターナショナルクラスStandard Groupは日本語、Advanced Groupは日本語・英語で受験生のみ実施。 |
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
サレジアン国際学園中学校
[学校HP]https://www.salesian.international.seibi.ac.jp/
〒115-8524 東京都北区赤羽台4-2-14 Tel.03-3906-7551(入試広報部直通)
最寄駅/
メトロ南北線・埼玉高速鉄道線「赤羽岩淵駅」徒歩8分。JR京浜東北線など「赤羽駅」から徒歩10分。