充実した年間スケジュールのなかで、岩石の分析から、ジオパークを訪れる夏合宿、さらに天体観測まで、感動が生まれる活動を体験
23種の花崗岩をデータベース化
本郷中学校の地学部は充実した年間スケジュールのなかで岩石や天体の観察を体験でき、特にジオパークや有名な地層がある地を訪ねるなど、美しい地球の姿を現地で確かめられる点が魅力です。
今回は「自由でリラックスできる雰囲気のなかで部員が仲よく活動している」と部を紹介した部長の芦田君はじめ中学3年の4名に取材しました。いずれも岩石に興味があり、現在は23種の世界の花崗岩の分析を中心に活動しています。
「岩石カッターで小さく切った岩石の片面を平に研磨し、スライドガラスに貼り付けて無くなる寸前まで薄く研磨した後で偏光顕微鏡により鉱物を観察します」(芦田君)。
こうして得た花崗岩の画像は名称・産地・特徴などと共にデータベース化する計画で、芦田君は「忍耐力が必要な作業ですが何とか23種全てまとめたい」と目下の目標を語りました。
イベントが並ぶ年間スケジュール
部の特長である実体験満載の年間スケジュールは、季節に沿って慣例化されています。顧問の髙橋浩之先生も「研究と並行してイベントの準備も行うので忙しいです」と語るほどの充実ぶりです。
新入部員と埼玉県まで出かけ、貝やサメの歯などの化石採集を行う4月の「新人歓迎野外実習」に始まり、7月の2泊3日の夏合宿は「伊豆半島ジオパーク」へ。(波の侵食でできた)海食洞の天井が崩れ、上から差す光が神秘的な「天窓洞」や岩に柱状の割れ目ができる「柱状節理」など火山活動が生んだ天然の形状の思い出をそれぞれ語ってくれました。9月の本郷祭でもプールでの砂金採りやプラネタリウムなど体験重視の企画を実施。後述する高校生の発表のサポートを経て、1月の天体望遠鏡による月面や惑星の観測まで、本物を見る感動と共に1年が過ぎます。
地学への興味をさらに深めていく
本郷高等学校地学部は、“文化部のインターハイ”とも呼ばれる「全国高等学校総合文化祭」の自然科学部門・地学部門で東京都代表となる部員を輩出。時折、地学部の先輩に研究の質問もすると言う4名は、高校での活動も見据えつつ「これから自分が研究したい新しい分野を探す」予定です。最後に(有用鉱物などが集まる)鉱床を専門とする髙橋先生に、地学の魅力を改めてお訊きしました。
「研究はもちろんですが、自然のなかに出かけて実際にいろんなものを見てほしい。本校の地学部ではそれが可能です。私自身も学生時代は、そんな体験が一番楽しみでした」。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
本郷中学校
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