日本伝統の「礼法」の型と精神を学ぶことで教養を深め、心を整えることを知る
創立以来続く伝統「礼法」の授業
「女性の自立」を建学の精神とし、社会に役立つ女性の育成を目指す共立女子学園。創立の発起人には、実業家や教育者など立場が異なる34名が名前を連ね、それが校名の「共立」に由来しています。そのような歴史が、さまざまな意見や価値観を受け入れる多様性や柔軟性を尊重する校風として、今も息づいています。
共立女子中学校の特色のひとつが、日本の伝統文化とその精神を大切にしていることにあります。それを象徴しているのが、小笠原流の「礼法」の授業です。中学では2週間に1回、高校では年1回、授業の中で基本的なマナーや美しい立ち居振る舞いを学びます。中1では教室での座学から始まり、その後、2019年にリニューアルした茶道室・礼法室の「瑞香庵」で授業を実施。和室で作法やマナーを実践していきます。
小笠原流の礼法を学び
美しい所作と心を整える
礼法を教える中村由佳先生は、「礼法は創立以来続く共立の伝統。自立して自分で考えることができる大人の女性として、社会で通用するマナーや所作を身に付けてほしいと考えています」と語ります。また、「鎌倉時代から続く小笠原流礼法を基礎から学び、形を覚えることは、自然と体になじませることに。それはさらに心を整えることにもなります」
お辞儀の仕方など基本的なマナーのほかに、懐紙を使ってみかんをいただく作法、祝儀袋の中袋、外袋、熨斗まで、すべてを自分で作る、大人になっても役立つ弔問のマナーなど、幅広い知識と教養を身に付けることができます。
中1の最初は正座にも苦労してぎこちない動作だった生徒たちも、3年間礼法の授業を受け続けることで、美しい立ち居振る舞いが自然とできるように。中3にもなると、1時間の正座にしびれながらも頑張る生徒がほとんどだそうです。例年、保護者向けにも礼法講習会を開催し、好評です。(昨年度は中止)
「マナーに沿った振る舞いは、コミュニケーションを円滑にします。グローバル化時代に世界中の人々と交流するには、日本人として日本の文化を理解していることも必要です。礼法をきっかけに日本の伝統文化への興味を深めて、世界に発信できる人に育ってほしいですね」
同校には、日本の伝統文化に親しむ機会はほかにもあります。能楽部や古典文化部(百人一首・囲碁・将棋)、茶道部などの部活動や華道講座。夏季講座で行われる「浴衣の着付け教室」(昨年度は中止)も、生徒たちから大人気です。
このように中高時代に礼法をはじめとする、さまざまな日本文化に親しむことが、人間的な魅力を備えた大人への成長を後押ししています。
●礼法の授業で学ぶ内容
中学1年 | 中学2年 | 中学3年 | 高校1年 | 高校2年 |
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礼儀作法 姿勢・立礼 和室での作法 手紙の作法 歩き方 みかんの食べ方 ほか |
椅子の礼 行きあい・前通りの礼 日常の食事・テーブル マナー ふすま・障子の開閉 座布団の すすめ方・座り方 お茶の すすめ方・受け方 ほか |
神仏の拝礼 和食の作法 訪問の作法 品物の 受け渡し 贈り物の 形と作法 挨拶の言葉 ほか |
マナー講座 (中学での 学びを日常生活に応用) |
拝礼・贈答のマナー お茶のすすめ方 品物の受け渡し 面接のマナー |
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
共立女子中学校
[学校HP]https://www.kyoritsu-wu.ac.jp/chukou/
〒101-8433 東京都千代田区一ツ橋2-2-1 Tel.03-3237-2744
最寄駅/
メトロ半蔵門線・都営新宿線 三田線「神保町駅」徒歩3分。メトロ東西線「竹橋駅」徒歩5分。メトロ千代田線「新御茶ノ水駅」徒歩12分。JRなど「御茶ノ水駅」「水道橋駅」徒歩15分。