防災訓練も、生徒の主体的な学びの場です
東日本大震災から10年目の今年、品川女子学院の防災訓練は例年と違った形でした。毎年行う防災訓練は、地震や火事が起きたことを想定して体育館に避難するというものですが、新型コロナウイルス感染症対策のために全校生徒が集合するのは難しく、今年は各教室で、有志の生徒が作成した動画を見ながらおこないました。
有志の防災チームの活動
防災チームは、2年前に自然発生的に結成されてから、学年関係なく活動しています。発端は2018年度に1人の5年生(高2)が身近な課題を発見したことでした。堤防のない川辺を家族の運転する車から見て、氾濫したらどうなるのかと考えたそうです。それを家庭科のCBL(課題解決学習)のテーマにし、通学中の防災について考えるワークショップを在校生向けに開きました。そこに参加して共感した後輩たちが一緒に活動するようになったのです。2019年度にはForbes Japan Social Award U-18 2019で激励賞(1位)を受賞し、今年度の9月に開催された日本地理学会高校生ポスターセッションでは「デジタルアーカイブを活用した災害に対する意識の向上」をテーマに発表し、1位に当たる会長賞を受賞しました。
活動の発端となった生徒が卒業した後も、有志の防災チームで「通学中に地震が起きたらどうしたらよいのか」を考える特別講座を、新入生対象におこなっています。初めて実施した2019年度は25名、2021年度は48名の1年生が参加し、zoomでチームに分かれて川の位置や高低差を調べ、試行錯誤しながら「マイハザードマップ」をつくりました。
今年の防災訓練
有志の防災チームが新入生向けに開いてきた講座をバージョンアップし、全校生徒向けに動画をつくって、今年の防災訓練となりました。今回は水害にテーマを絞り、過去の水害時の駅や商店街のニュース映像などを使い、いつ身近で起きてもおかしくないことを皆に認識させました。また、国土地理院の「重ねるハザードマップ」を用いて、水害が起きやすい場所の説明もしました。動画の後、全校生徒各自がiPadでマイハザードマップをつくり、いざというときにどこに避難できるかをまとめ、参照できるようにしました。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
品川女子学院中等部
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