企画からプレゼンまで生徒が行う「日本文化体験」は、 問題解決能力などあらゆる力を養うプログラム
コースを選ぶコンペには旅行会社も参加
「自ら学び、考え、判断し、行動する」生徒を育てることを目標としている公文国際学園。この目標を具現化したのが中3の9月に3泊4日で行われる「日本文化体験」です。
「日本文化体験」はまず中2の10月からスタート。4人一組となり、学びたい日本文化とその行き先について、予算8万円で企画案を作ります。1クラスで11~12コースの企画案ができますが、これを中2の2月にクラス内でコンペをし、各クラス3コースまで絞ります。採点基準は「現地で学びが深められそうなものか」「着眼点」「プレゼンの出来」というもので生徒たち自らが採点。そして全12コースの中から旅行会社も参加するコンペが開催され、最終的には6コースが決定します。
実際に現地に足を運び、実物を見て触れ、職人など関係者の話を聞き、夜はミーティング。その日に学んだことを参加者全員で振り返り、情報や新たな疑問などを共有します。
昨年度指導にあたった社会科の渡辺太郎先生は、「ネットや資料では学ぶことができない、本物に触れることができるのがこのプログラムの特徴です。また聞き取りによる生の声や話は、現地に行かなければ聞くことができない貴重なものです」と言います。さらに、「たとえば5年前、水引をテーマにしたコースで長野県へ行きました。水引細工の職人の方々にお話を伺った際、水引に対する価値観や考え方が職人によって大きく異なることがわかりました。これは現地に行き、実際に話を聞かなければ得られない体験でした」
体験終了後には生徒一人ひとりが現地で得た知見を生かし、さまざまな視点で論文を執筆。それらは毎年文集として記録されます。
商品化され、地元メディアに紹介されたコースも
昨年度、日本文化体験に行った現・高1の生徒のチームリーダーが感想を寄せてくれました。まず6コースに選ばれるまでに工夫した点は「テーマ設定で注意したのは学びを深める意義のあるものにすることでした」「発表の際はより興味を持ってもらえるよう、スライドにアニメーションをつけるなどの工夫をしました」「目的を社会問題と結びつけて考え、明確にできるよう努めました。また他コースでは味わえないような体験を多く取り入れました」とのこと。
印象に残っていることは、「ミーティング」と答えたリーダーが多くいました。さらに成長した点についてという質問には、「リーダーシップについて考えさせられました」「自主的に行動できるようになりました」「実際に現地に行ったことにより日本文化の衰退を実感しました。また、自分たちの生活を見直すこと、日本文化に貢献することについても考えさせられました」「論理的に考えられるようになりました」などといった返答が。論文については、「九谷焼には参加したメンバー27名それぞれが違ったテーマや視点で論文が書けるほど、魅力や疑問がたくさん詰まっていました。疑問をもち、それについて追求することが大きな経験につながりました」というコメントも。
ちなみに、「一関市ともち」コースは地元菓子メーカーと共同で商品を開発。実際に商品が限定販売され、その様子は地元メディアにも取り上げられられました。
「日本文化体験は課題設定、問題解決能力、プレゼン力、リーダーシップなど、高校の総合学習につながります。また、これらの力は国際理解教育のベースともなるのです」(渡辺先生)
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
公文国際学園中等部
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