声を挙げればルールも変えられる! 校則変更が、チャレンジ精神や創造性を育むきっかけに
校則変更のきっかけは生徒の「投書」
2022年度より、それまでスカートのみだった制服にスラックスが導入されたほか、2021年9月からいくつかの校則が変更となった相模女子大学中学部。例えば、肩に髪がつく場合は結ばなければならない、というルールが廃止されたほか、一律での衣替えの廃止、昼休み以外の時間に補食がOKになる、といった変更がありました。
長年変化のなかった校則の一部が大きく変わったきっかけは、生徒からの声だったといいます。生活支援部長の片山京子先生に校則変更の経緯について伺いました。
「国語の授業で『新聞の投書を書く』という課題がありました。当時、学校校則に関するニュースがメディアで取り上げられていたこともあり、現在の校則についての疑問を投げかける生徒が何人かいたのです。私のもとへ直接、『なぜ肩に髪がつく場合は結ばなければならないんですか?』と聞きに来た生徒もいました。そのとき、私がうまく説明できなかったこともあり、校則を見直す必要性を感じました」
生徒の健康面、安全面を考慮しつつ再考すべき校則が教員で話し合われた結果、今回の変更に至ったといいます。
「自分達の発言によって、学校の動きを変えることができる、自分で声を挙げれば組織のルールを変えられる、と実感するきっかけになってもらえたらと思います」(片山先生)
話し合いによって納得できる結論を導き出す
スラックスの導入にあたっては、トップスの制服をスカートの場合と同じセーラー服のままでいいのか、別のものにした方がいいのか、生徒の意見を参考に決めていったといいます。「各クラスの学級委員2名から構成される『中央委員会』のメンバーで話し合いの場を設けたのですが、そこでも多くの意見が出ました。教員には想像できない生徒ならではの意見を吸い上げることができて、結果的に教員も生徒も納得できるルールに落ち着くことができました」(片山先生)
さらに片山先生は、生徒主体で考えていってもらうために、校則を見直す「ルールメイキングプロジェクト」を発足。中学生の有志を募り、変更すべき規則、新たに加えたほうがいい規則などを話し合ってもらうことにしました。とはいえ、この組織の目的は「校則を変えること」ではない、といいます。
「生徒が『正しい』と思って発言しても、多方面から検討した結果、意見が通らないこともあるでしょう。正直、教員全員がこの活動を手放しで応援しているわけではなく、これまで培ってきた学校の風紀が乱れるのではと不安に思う教員もいます。生徒同士の間でも意見の相違があると思います。自分の意見を押し通すのではなく、対話をしながら、納得できる解を探していくことが最も大切だと思っています」
価値観の違いを受け入れながらも高い志を持って発言をしていくことで、他者と協働しながら新たなルールを生み出す力を養っていきます。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
相模女子大学中学部
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