私学探検隊

中学が共学化。人間社会に役立つ“人財”を育てる

保護者からの期待も高かった共学化

男子生徒の制服も既に完成しています。

2014年度から共学校として新たなスタートを切る新渡戸文化中学校。これまで小学校が共学だったこともあり、保護者の方からも共学化への要望があったそうです。「女子校のメリットもあるでしょうが、やはり男女共生の社会の中でお互いが協力し合いながら成長していくことが理想だと思います」と語るのは中学校長の上前善勝先生です。ただ、これまでの理念は受け継いでいくとのこと。「ダンスはこれまでも指導に力を入れてきた教育内容の一つであり、こうした伝統は残していきたいと思っています。またこれまで中学1年生は茶道を、2年生は華道を学んでいました。本校では国際感覚を養う一方で日本文化についても学ぶ必要があると思っています。今後は男子生徒にも茶道・華道を学んでもらう予定です」。
小学校との連携で、児童から生徒への成長過程が中学での「心の教育」に生かされています。また、小と中高の教員がお互いの授業を担当し合い、「つまづき」のメカニズムを研究するなどして、中学での学習が充実したものになっています。

「大学卒業後」を見据えたキャリアデザイン教育を重視

天然芝のグラウンドでのびのびと活動できる。

また、今後力を入れていくのが生徒一人ひとりのキャリアデザイン教育です。「中学からの6年間では、やはり大学進学が大きな目標にはなりますが、ではなぜ大学へ行くのか。その後は何を目指すのかといった部分を早い時期から考えてもらいます。たとえば、近隣の商店や病院での職業体験も中学校のキャリア学習として経験します。そのために昨年は毎日6時間だった授業数を7時間に増やして対応しています。「高校になると『キャリアデザインコース』と『医療系進学コース』に分かれて、専門的に学んでいきます。キャリアデザインコースではビジネス関連の授業を取り入れ、TOEICに挑戦する一方で、医療系進学コースでは看護を通じて医療について学ぶなど独自の教育が特徴です」。

新渡戸教育を、より指導しやすい環境が実現

食育に力を入れた学校自慢のスクールランチはぜひ一度体験を。生徒が育てたトマトなどの野菜が食材として使われることも。

そしてこうした教育の根本となるのは、創立者である新渡戸稲造先生の精神を受け継いだ新渡戸教育です。「新渡戸先生は、しっかりとしたバランス感覚を持って社会に貢献していくという実学を重視していました。私たちも大学進学を生徒のゴールとせず、しっかりとした職業観、人生観を持った生徒を育てていこうと考えています」と上前校長。日頃の挨拶の習慣づけやマナーも徹底しているそうです。そうした習慣の有無が、社会に出た際には大きな差となって表れます。小学校から連携の取れた教育は、社会人基礎力を身につけるのに最適といえるでしょう。

新渡戸文化中学校
[学校HP]http://www.nitobebunka.ed.jp/
〒164-8638 東京都中野区本町6-38-1
☎ 03-3381-9772
最寄駅/メトロ丸ノ内線「東高円寺駅」徒歩6分。メトロ丸ノ内線「新中野駅」徒歩7分。JR中央線 総武線・メトロ東西線「中野駅」徒歩15分。