「全寮制」が育む、真の学力・人間力
超難関大学に高い合格実績を誇るだけではなく、社会に出てからも高い人間力が評価されている秀明。生徒の資質を伸ばして引き出す「全寮制」の教育について、校長の神原洋先生にお話を伺いました。
入学時に重視するのは学力よりも“意欲”
「生徒のやる気があれば、伸びる環境は整っている」と神原校長は言います。入学時に筆記試験を実施していない時期もあったほど、学力よりも意欲を重視してきた同校ですが、難関大学への高い合格実績があります。その大きな理由の一つが、全寮制だからこそできる「夜間学習」。夕食を終えたあと、全員が再び教室に登校し、夜の9時まで授業は続きます。一見ハードそうですが、「途中、部活や夕飯をはさむことで気持ちも切り換えられ、前向きに取り組めます。教員も教室も昼間と同じ環境なので、生徒は勉強に集中できます」と神原校長。その積み重ねが6年後には大きな力となっているのです。
また、寮の魅力は、学習のモチベーションが高く保てること。友人と励ましあい、切磋琢磨できる環境だからです。「勉強のできる子が良いお手本として身近にいるので、入学時に下位にいた生徒が、同室の生徒に贈られた“秀明博士”の盾を見て奮起し、学年最上位になったこともあります」(神原校長)
“自立”のベストなタイミングは、中学入学時
子どもから大人になる中学の時期は「自立するベストのタイミング」と神原校長は言います。この時期に親元を離れて共同生活をすることで、規則正しい生活習慣が自然と身につき、自立心が育ちます。
「うまくいく理由は“みんなが同じスタート”を切ること。入学時に親と離れて寂しいと泣く子がいても、環境は全員一緒で共有できる。親に愛されていると実感もできます」。そんな生徒にとって心強いのは、学校でも寮でも先生の存在。「師弟一体」を大切にしているという秀明では「教員は交代で寮に泊まります。各部屋や浴室を巡回したり、消灯まで生徒の安全を見守ります。体や心の異変を少しでも感じたら、親の心でケアをします」。このように、先生が生徒と過ごす時間は通学制に比べて、1・5倍。そんな生徒と先生の距離が近いのも秀明の魅力の一つです。
寮生活に向かない子どもはいない
「よく『寮生活に向かない子は?』と質問を受けますが、やってみたいと思うなら、“全員”向いています」と神原校長。「高3以外はずっと二人同室。共同生活だからこそ協調性も生まれてきます。これは生徒に言われたのですが『協調性とは我慢して相手の言うことを聞くのではなく、相手の言うことを聞いて、自分の言いたいことを言って、相手と自分の折り合いを見つけることですね』と」。入学時には部屋の温度設定なども先生に頼ってきた生徒たちが、すべて話し合いで解決できるように。というのも、秀明では年に3回部屋替えを行うため、高校卒業まで16人の生徒と同室になります。「16人と共同生活ができれば社会に出た時、どんな人とでも相手の顔を見て行動ができるように成長していきます」(神原校長)。そして、かけがえのない友人ができるのも大きな魅力です。「中高で一番影響を受けたのは友人たち。将来の夢を語ったり、今の自分を大きく形作っています」と、卒業生でもある神原校長は言います。「学校は学ぶ場所であり、生活する場。まずは実際に学校に足を運んで、雰囲気を体感してください」
秀明中学校
[学校HP]http://www.shumei.ac.jp
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