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東洋大学京北中学校

受験生への校長メッセージ

私は野球のことについてあまり詳しくはありませんが、日本野球機構には「支配下選手」と「育成選手」の2種類があるそうです。育成選手の背番号は3桁と決まっており、最低年俸は240万円だそうです。

育成から支配下になった選手は何人もいますが、中でも昨年10月23日、読売ジャイアンツ亀井善行選手の引退セレモニーで「アンタは天才だから。もうちょっとだけ頭使っていけよ!」と言われ、9番を受け継いだ方がいます。50m走で5.8秒の記録を持つ俊足を活かし、2018年11月8日のMLB選抜とのエキシビションマッチではランニングホームランを打った人でもあり、育成ドラフト出身としてプロ野球史上最多本塁打記録12本を打ち立てています。

そう、松原聖弥選手です。彼は大阪生まれですが、高校野球をやりたくて仙台育英高校に一般受験で入っています。しかし最後の夏はベンチへ入ることができず、スタンドから太鼓を叩いて応援していたそうです。明星大学へ進学してからは首都大学野球2部リーグで、2年の春から5季連続ベストナインに選ばれています。卒業後の2016年の育成ドラフト会議では、5位指名で巨人に入りました。2018年、2軍で134安打を放ってイースタン・リーグ記録を樹立した後、昨年もプロ野球史上初めて育成ドラフト出身選手の20試合連続安打を樹立しています。

そんな彼の言葉を紹介します。



「自信をつけるために上手くなろうと必死にやっています。」



彼は日頃から「守備には自信がない。」と言っています。だからこそ「守備での安心感を増していければ」と、常に意識しているそうです。しかし見る人は、見ています。2020年のヤクルトスワローズ戦で高梨裕稔選手の打球を素早く処理し、ライトゴロに取った守備などは、ポジショニングも送球も見事だと評判になりました。良く「走攻守が揃った」と言いますが、野球に限らず弱点を残したままにしておくと、イザと言う時に何の役にも立ちません。苦手な分野はまた、大きく伸びて行く部分でもあります。松原選手は、ナイターの照明が苦手だそうです。私は化学の教員でしたが、有機化学が苦手です。英単語やカタカナの人名を覚えるのは、もっと嫌いです。だから時間と手間を掛けて、他の人の2倍も3倍も練習しました。そのお蔭で、どうにかこうにか化学の教員をやってこられました。



「急がば、回れ!」

今日は気分を変え、苦手なことにチャレンジしてみませんか?きっと今までと違う景色が見えてくると思いますよ。試してみてください。

2022年12月12日
東洋大学京北中学高等学校
校長 星野 純一郎

受験生への校長メッセージ

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