郁文館中学校
【カンボジア&バングラデシュ研修】教科書では学べないSDGs実体験を途上国から
郁文館夢学園の4校(郁文館中学校、郁文館高校、郁文館グローバル高校、ID学園高校)は、合同で3月22日から27日まで、2か国でSDGs海外研修を実施し、生徒76名がカンボジア、生徒9名がバングラデシュの研修に参加しました。生徒らは、「期待と希望」に胸をおどらせながら日本を飛び出し、教科書では決して学ぶことができない「歴史・文化・交流」を肌で体感しました。
渡邉理事長は、開発途上国支援を目的とした公益財団法人「School Aid Japan」を運営しており、カンボジアやバングラデシュを中心に、2021年までの10年間で333校の学校建設や、子どもへの給食支援、孤児院の運営なども行っております。
開発途上国では、戦争や紛争・飢餓・貧困などを理由として基礎教育を受けられない子どもたちがいます。郁文館で行っているような人間性向上のための教育機会と環境を、1人でも多くの子どもたちへ提供したいという熱い思いで運営しており、郁文館の開発途上国支援やSDGs教育の原点にもなっています。
今回の研修では、郁文生にカンボジアの「現状」を体感してもらうことを目的としているため、両研修ともに、School Aid Japanが設立した中学校や孤児院、日本語学校などを訪問いたしました。
【カンボジア】
生徒らは、ポルポト政権時代の歴史を学ぶため、トゥールスレン博物館を見学。また、世界遺産にも登録されるアンコールワット遺跡・ベンメリア遺跡を周り、文化にも触れました。また、「大きな衝撃を受けた」と生徒らが口をそろえて言ったのが、日本語学校、ワッタムン中学校、孤児院、現地の住宅街での「現地の方との4つの交流」です。
日本語学校教室では、廊下に響き渡るほどの音読を耳にし、現地学生とすれ違うたびに「おはようございます!」とカタコトながらも元気な日本語の挨拶を受けました。ワッタムン中学校では、「夢があるか?」という問いに対し、ほとんどの学生がすぐに手を挙げる姿勢を目にしました。恥じらうことなく何事にもチャレンジしようとする現地学生の全力な姿勢を受け、「日本にもこの文化を持ち帰って、自分が広めるんだ!」と活き活きして話す郁文生の姿が印象的でした。
孤児院や現地の住宅街訪問では、炊き出しのボランティアや住宅訪問を通じて、現地の大学生の「奪い合えば足りないが、分け合えば十分に足りる」や「何もないけど、人としての幸せがすべてある家」という言葉を受け、外から見た印象だけでなく、生の声を聞くことで両面の理解につながったカンボジア研修となりました。
【バングラデシュ】
同世代の学生と交流するため、姉妹校であるNDMHS(ナラヤンクルドリームモデルスクールアンドカレッジ)を訪問しました。NDMHSは、前述した理事長運営のSchool Aid Japanが建設した校舎で、本校職員の3名が実際に現地へ赴き、ゼロから作り上げた学校です。全生徒スピーチやSDGs授業を通したアカデミックな交流から、ダンスやスポーツを通したアクティブな交流まで密度の濃い時間を過ごしました。
生徒らは、現地の生活・宗教・文化を肌で感じ取るために、生徒の自宅やモスクを訪れることで宗教文化に触れ、素手での食事体験や鶏の屠殺(とさつ)を見学することで食事文化に触れました。
また、極度の貧困を五感で感じ、解決策を学ぶため、スラム街・縫製工場・グラミン銀行を視察しました。特に生徒らから衝撃の声が上がったのは、スラム街での汚臭や縫製工場裏の汚染川でした。急激な発展を遂げる裏で起きている事象に目を向け、決してそらしてはいけない現実を、身をもって体感しました。
バングラデシュへ渡航した生徒の中には、みんなの前で意見を発することが恥ずかしいと話す生徒がいましたが、6日間の研修を通して現地学生や仲間と密に関わったことで、次第に自ら進んで周りと交流する姿が多くなりました。最終日には「教科書では学べないことを五感で学べた研修で、自分の中の殻を破ることができた」と伝えてくれた生徒の姿がとても印象的です。どちらの研修も、「教科書で学べないことを五感で学んだ」ことで、生徒の大きな刺激になりました。日本に帰国した生徒たちが、この体験を普段の生活にどのように活かしていくか、成長の軌跡を見ることを教職員一同楽しみにしております。