日本女子大学附属中学校
教員リレーエッセイ【10月】3泊4日の東北に行ってきました!
先月、78回生と共に東北校外授業に行ってきました。
コロナ禍は2泊で行い、4年ぶりの3泊です。1年のときの軽井沢は日帰りのため、宿泊行事は初めてです。学年の教員みんなで、本当に3泊もできるのだろうかと、コロナ禍前に行っていた行程を見直し、緩やかな、生徒たちにとってより良い行程になるように考えました。結果、とても生徒たちは協力的で、クラスの仲も深まり、あんなに心配する必要なかったな、と思うほど充実した東北校外授業になりました。
生徒の感想を読むと、やはり本物に勝るものはない、と感じます。八幡平頂上は霧で真っ白、強風で寒い寒いと言いながらアオモリトドマツの植生を見たこと、大雨の中、金木を歩いて太宰の人生を感じたこと、最終日の三内丸山遺跡の空が青々として、とても清々しい天気であったこと、ここには書ききれないほどの思い出が蘇ります。生徒だけでなく、私たち教員も実はとても楽しんでいるのです。初めて斜陽館と疎開の家を訪れた国語科教員は、目がキラキラ、本当に嬉しそうに全て逃すまいと必死に見学していました。また楽しむ一方で、生徒とともに24時間過ごすハードスケジュールの中には、ハプニングや失敗談ももちろんありますが、ここでは秘密にしておきます。
本校の東北校外授業は歴史があり、先日十月祭のために古い資料を見たところ、昭和39年(約60年前)、4泊5日で行っていたとありました。もっと前は夜行列車を利用して5泊で行っていたそうです。脈々と続いている東北は、東北の方の支援があってこそです。今年は1期は3日目、2期は2日目に大雨で、生徒の靴も傘もびっしょりに濡れてしまいました。それぞれの宿で生徒のために新聞紙を用意してくださったり、傘を全て集めて干して乾かしてくださったり、と本当にありがたいことでした。また、バスガイドさんは生徒のしおりを全てコピーしていて、沢山ある資料もしっかり読み、夜にはホテルで勉強会をやるんだ、とおっしゃっていました。私の号車のバスガイドさんは、宮沢賢治の詩「永訣の朝」を朗読してくださり、「星めぐりの歌」を歌ってくださいました。現地の言葉が心に響き、温かな気持ちになりました。
多くの方に支えて下さっている東北校外授業も、時代と共に変化しています。コロナ禍を経て、またきっと新たな東北を模索していくことと思います。私は今年、3泊4日の東北に行けたことに、保護者の皆様をはじめとして、全ての方に感謝申し上げます。本当にありがとうございました。