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東洋大学京北中学校

夏休みプログラム 〜哲学ゼミ(対馬・釜山)〜

東洋大学京北中学高等学校の哲学教育には、教室で考えるだけではなく現地に赴き、その土地の人々との対話を通して学ぶプログラム「哲学ゼミ」があります。
2024年度は「国境」というテーマをもとに、長崎県対馬と韓国釜山の関係について学びそして考察しています。

事前学習
5月から7月の毎週土曜日放課後に事前学習として、各分野の学習会を行いました。

対馬・釜山に関するテーマ別自主学習
現代韓国文化についての学習会
韓国語に関する学習会
昨年度韓国に留学していた日本人大学生との対話
本年度日本に留学している韓国人大学生との対話
対馬・釜山へ 2024年8月3日〜8日
1日目 対馬へ
羽田空港から長崎空港での乗り継ぎを経て対馬到着。
対馬繋営塾の藤川さんから対馬に関するお話を受け、厳原の町へ。
厳原では鎌倉時代から対馬を治めていた「宗氏」の歴史をたどり、「万松院」を訪れました。そして、朝鮮半島と対馬の歴史を学ぶため「対馬博物館」と「朝鮮通信使歴史館」へ。


宿泊は朝鮮通信使ゆかりの寺、西山寺。
夜は、一日の学びについてお互いに話し合う「哲学対話」を行いました。

2日目 厳原の朝鮮通信使行列に参加
午前中は厳原自主研修を行い、午後は朝鮮通信使行列に参加し、長崎県立対馬高等学校の生徒みなさんとの交流をしました。
記録的な猛暑の中、衣装を身にまとい、朝鮮通信使を再現する行列に参加しました。対馬の人々が大切にしている朝鮮通信使の歴史。その中に身を置くことでさまざまな気づきがありました。

 

夜の「哲学対話」では、朝鮮通信使行列を通して気づいたことをお互いに述べ合い、共有したことを文章としてまとめていきました。

  

3日目 対馬から釜山へ
長い歴史を持つ西山寺は臨済宗の禅寺です。早朝5:30に起床し、坐禅と読経。
この日は、厳原を出て「万関展望台」で浅茅湾と対馬のリアス地形を体験し、和多都美神社へ。和多都美神社の鳥居の向き、磐座など対馬の宗教観について学んでいきました。
その後、対馬北端の鰐浦から航空自衛隊海栗島分屯基地を見学。現代の防人である国境の基地の方々との対話を行いました。昼食は航空自衛隊名物の「空上げ(からあげ)」をいただきました。
鰐浦に戻り、「殿崎」へ。「殿崎」では日露戦争に関する史跡をめぐり、戦争と国境の島である対馬の地理的関係ついて学んでいきました。



対馬北端の国際港である比田勝港。
対馬の北端から韓国釜山は約50Kmの距離にあり、この間を国際航路が結んでいます。
その最短の国際航路を経て韓国に入国しました。

 

4日目 韓国釜山の高校生との交流
滞在している南浦から地下鉄に乗って北部の南山に移動し、釜山外国語大学校に到着。釜山外国語大学校は東洋大学の提携校であり、今回、日本と韓国の学生交流に協力してくださいました。金教授のもと、韓国高校生と本校生徒との交流会がスタート。昼食後、韓国高校生と本校生徒の混成グループ(3グループ)に分かれて釜山市内研修を行いました。地元の生徒がおすすめする場所に一緒に赴き、アプリを使いながらコミュニケーションをとっていました。



5日目 釜山市内自主研修
自分たちが設定したテーマにもとづいて釜山市内を自由にめぐりました。歴史・現代韓国文化などグループによって異なりますが、大切なことは、自分たちの意志で釜山市内をめぐり、その土地の人々と対話をしていくことです。
夕方、龍頭山公園にてこの2日間の気づきについて「哲学対話」を実施しました。それぞれの気づきについて述べているさなか、初老の男性が輪に入り、生徒たちの気づきについて耳を傾けていました。その後、日本語で「学生が自分の意見をしっかりもっていることは大切なこと。このような意見を持っている学生たちに日本と韓国の未来を委ねたい」というお話しをいただきました。こうした出会いがあるのが「哲学ゼミ」の存在理由かもしれません。



6日目 帰国、そして事後学習へ
6日目は午前中、南浦を中心に自主研修を行い、その後バスで空港へ。釜山発成田行きの便で成田に戻りました。
遣唐使や朝鮮通信使がたどった海峡を越え「国境」とは何かを考える旅ですが、これで終わるわけではなく、今後、3月の「哲学の日」での発表を目指して学びは続いていきます。

この哲学ゼミの実施に際し、長崎県立対馬高等学校、釜山外国語大学校、韓国の高校生のみなさま、留学生の方々、航空自衛隊海栗島分屯基地のみなさまなど、多くの方のお力添えいただきました。この場を借りてお礼を申し上げます。

夏休みプログラム 〜哲学ゼミ(対馬・釜山)〜

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