東洋大学京北中学校
受験生への校長メッセージ
チャールズ・ホートン・クーリー(Charles Horton Cooley)さんは、アメリカ合衆国の有名な社会学者です。アメリカ社会学協会の創立メンバーの一人でもあり、鏡に映った自我の概念で良く知られています。自我は幼少時になく、他人と共存する社会の中で育まれるとされています。クーリーさんによれば、「自我には3つの要素が必要となる。”他人に自分がどう写るのかという想像” ”他人に自分の行動がどう写るのかという想像” ”それに対する自分の矜持や屈辱感などの意識”である」ということだそうです。
さて難しい話はこれぐらいにして、彼の名言をご紹介します。
”明日はなんとかなると思う馬鹿者。今日でさえ遅すぎるのだ。賢者はもう昨日済ましている。”
Tomorrow I will live, the fool dose say: today itself's too late; the wise lived yesterday.
少し刺激的な、そして挑発的な言葉だと感じます。しかし冷静になって読むと、そういうことなんだなあと、変に関心してしまいます。私は仕事柄、校内外を問わず色んなところから原稿を頼まれます。できる限り頼まれた、その日に書くようにしています。しかし会議が連続していると、ついつい「締め切りは10日先だから、明日でもいいや。」と思ってしまいます。そういう私のような人を「馬鹿者」と言うんですね。
ただ反論する訳ではないのですが、「いくら賢者でも原稿依頼がいつ来るかなんて先読みすることはできないのではないですか?」と言いたくなりました。でも自分の反論に再反論する訳ではありませんが、実はこの原稿も4か月前に書いています。もっとも、これは広報部長の先生が事前に、「毎月この時期に出しますから、お願いします。」と言ってくださっているからできることなのです。
元の素直な自分へ戻ります。本当に凄い人はすでに行動している、ということを教えてくれる名言です。必要以上の不安に駆られたり、明日やろうと考えたりするのではなくて、今行動してみようということを教えてくれる名言でした。そう言えば、林修先生も同じようなことを言っていましたね。
「いつやるの? 今でしょ!」