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日本女子大学附属中学校

教員リレーエッセイ【9月】トラブルも良い思い出

長いお休みが明け、2学期が始まりました。今年の夏休みは旅行に出掛けた人も多かったことと思います。いままで経験した旅で、今思い出せるのはどんなことでしょうか。予定を立てて旅に出るものの、その通りに行かないこともあります。でもそれが逆に良い思い出になることもあります。今年私は長崎のある島へ行ったのですが、台風を気にしながらの旅でした。いくつか起きた小さなトラブルのエピソードです。

その1
特急が運転見合わせのため博多で足止め。慌てて探して泊まった安めのホテルだったが、今まで泊まったどのビジネスホテルよりもアメニティグッズが充実していて、予定外の疲れが癒された。
その2
ようやく着いた島では、台風の影響で食材が届かず、注文しようとした海鮮丼がなかった。仕方なくレモンステーキを食べたが、それが思いのほか美味だった。
その3
陶芸体験を予約して現地に行こうとしたが道に迷った。ぐるぐるまわるうちに周辺の地理が分かり、その土地に親しみが湧いた。

 昔のことですが、学生時代の忘れられないトラブルがあります。
 飛行機でロンドンに着いたら、スーツケースのカギが壊された状態で戻ってきました。番号を合わせることができず中身も出せないのです。困ってしまい、カウンターで必死に英語で交渉した結果、バールでこじ開けて中身を出し、新品のスーツケースをもらうこともできました。スーツケースは完全に壊れたけれど、困ったことがあっても何とかなると自信がついた若いころの思い出です。

 「予定通り」に越したことはありません。でも旅に限らず、少々トラブルがあってもそれが新たな発見に繋がるかも、という期待を持って過ごしていきたいと思っています。

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