晃華学園中学校高等学校
校長先生のお話(2025年4月9日の始業式より)
皆さん、おはようございます。
新しい学年の新学期が始まりました。一般に、「一年の計は元旦にあり」と申しますが、生徒の皆さんも含めて私たち学校関係者は、「一年の計は一学期の始業式にあり」と言っても過言ではありません。1年後の自分は、どうなっているでしょうか、どんな自分でありたいでしょうか。想像してみてください。高校3年生の皆さんは、どこの大学の1年生になっているでしょうか。どこの大学の1年生になっていたいでしょうか。中学1年生の皆さんは、1年前の自分と比べて、今年の1学期の始業式は、晃華学園の中学生として、ここにこうして立っています。1年の変化はとても大きいと感じていらっしゃるかと思います。
高校2年生から中学1年生の皆さんの目標は何でしょうか。具体的な目標はないという方は、今、考えてください。え、今ですか。今でしょ。少なくとも、英語力で言ってみれば、今持っている英検®の級を1つアップすることを目標としてはいかがでしょうか。そんなこと言われても、宿題は多いし、部活も忙しいし、そんな時間はありませんと思っている方がいらっしゃるのではないでしょうか。 時間がない、忙しいと思っていらっしゃる方は特に、時間の有効活用について考えてください。わずかな時間がある場合、どうしていますか。ちょっとの時間なのでという気持ちで、スマホを見てしまうことなどないでしょうか。ちょっと空いた時間をすき間時間と言います。忙しい方は、すき間時間を有効に使うことをぜひ実践してみてください。すき間時間を有効に使うことは大変重要なことです。
例えば、1日の内で5分とか10分というすき間時間に、英単語を1つ覚えれば、1年365日で365の単語が覚えられます。10単語であれば、3650単語が覚えらえる計算になります。すき間時間の有効利用について、例えば、私の場合、昨年から今までのすき間時間に実行してきた結果がここにあります。1年前に、宇野先生からお借りした宮脇白夜さんの『聖燭』という俳句集です。私の場合、勧められ本をお借りした場合、本に書き込んだりマーカーでマークするので、実は自分で同じ本を購入し、買った本に書き込みやマークして読み進めます。読み終わったら、お借りした書き込みのない本をお返しいたします。ところが、宮脇さんの本は注文しても品切れでした。そこで考えました。この俳句集には383の句が掲載されています。1日に1句か2句をノートに写せば、1年で全部写すことができると考えました。全く原始的なやり方ですが、すき間時間の利用です。すき間時間を見つけては、1句1句味わいつつ1行おきに書き写していきました。余白の1行には、難しい語句について辞書で引いた意味や読み方などを書き込みました。大変勉強になりました。そうして、先日、383句のすべてを書き写し終えました。このノートが書き写したノートです。まさにすき間時間の結晶と言えます。今日この朝礼が終わったら、宇野先生にお返しに行こうと思っています。宇野先生、1年間もの長い間、宮脇さんの俳句集をお借りしたままで申し訳ございませんでした。本当にありがとうございました。皆さんもすき間時間があったら、スマホばかり見ないで、英単語の1つや2つを覚えてください。そうすれば、来年の今頃には、英検®の級が1つあるいは2つアップした自分に会えるかも知れません。しっかりとすき間時間を利用してください。
最後に、宮脇さんのこの俳句集から、私が感動した春の俳句をお送りいたします。
救世主躓き躓き(つまづ つまづ)来る春野
救世主であるイエス・キリストも躓かれるのですから、我々凡人が躓くのは当たり前かもしれません。私たちも躓くことを恐れずに、今年もしっかり前を向いて歩いて行きましょう。もう一度、宮脇さんの句を申し上げて1学期の始業式のご挨拶とさせていただきます。
救世主躓き躓き(つまづ つまづ)来る春野