藤嶺学園藤沢中学校
高2研修旅行~東北方面1日目~

【岩手の風土と食を体感 高校生活一度きりの研修旅行スタート】
10月7日、高校生活最初で最後となる研修旅行がスタートしました。本年度の研修旅行は、高校2年生を対象に、『岩手宮城福島東北コース』と『鹿児島熊本長崎福岡九州コース』の2コースに分かれて実施されます。新聞部の私は東北方面に参加し、東日本大震災の教訓や地域活性化への取り組みなど、現地で得た学びを5回に分けてお伝えしてまいります。
午前8時30分、東京駅丸の内地下中央改札口に集合しましたが、1名だけ5分遅刻するハプニングがありました。幸いにも9時08分発の「はやぶさ9号」出発前には全員がそろい、島貫先生はその生徒に「間に合ってよかったね」と声をかけ、肩をたたいていました。こうした出来事からも、集団行動でルールを守る大切さを改めて実感しました。9時08分、「はやぶさ9号」に全員が乗車し、約2時間の移動を経て11時20分、本日の研修の舞台・岩手県盛岡市に到着しました。 11時35分、ドライバー千田さんの運転するバスで約15分、「東家本店」に向かいました。車内ではバスガイド石戸谷さんから観光案内があり、盛岡の歴史や文化に触れることができました。石戸谷さんは「盛岡は岩手県のほぼ中心で、外国人から人気です。米紙ニューヨーク・タイムズが選ぶ『世界で訪れるべき52カ所』にも選ばれました。人当たりのよさや、わんこそばなどのグルメが魅力なのかもしれません」と紹介しました。バスは岩手県庁、中津川を通過しました。
「青森から岩手まで一戸から九戸という地名がありますが、なぜ四戸だけないのでしょうか?正解は『しのへ』と読み、死を意味するからです。」「東家本店のわんこそば最高記録は753杯。男性は60、女性は40を軽く超えます。皆さん100杯は目指しましょう。」「ベルトは緩めて、いっぱい食べてきてください」と笑顔で送り出されました。 お店に到着後、全員が座敷に座り、給仕さんから説明がありました。「服が汚れないようエプロンを着用してください。椀にたまったそばつゆは手元の桶に捨てられます。隙を作らないでください。もう食べられない時は蓋を閉めてください。カウントは自分で行い、5杯で数え棒1本を出してください。」わんこそば大会が始まり、「いつお腹いっぱいになるんだろう?」と意気込む生徒もいましたが、100杯に届く前にギブアップする生徒が多く、140杯まで挑戦した生徒もいました。皆満腹で大満足の様子でした。 昼食後、再びバスに乗ると石戸谷さんは「100杯も超えていないのに証明書をもらったようですが…まあ今回は体験が大切です」と笑いを誘いました。「続いては東北自動車道盛岡南インターから南下し遠野へ向かいます。途中で紹介する場所があります。」と案内し、岩手出身の原敬元首相、大谷翔平選手らを紹介しました。約90分かけて「遠野ふるさと村」へ向かいました。
14時20分に到着するとスタッフが笑顔で出迎え、案内で「大工どん」の施設などを見学しました。スタッフの千葉さんは「この建物は江戸末期から明治初期に建てられたものです。以前はまっすぐの建物でしたが、馬を飼うのが流行し馬小屋を増設してL字型になりました」と説明しました。大工どんでは、菊地さんの昔話を聞きました。「昔は今のようにスマホや娯楽がなく、母が子どもに昔話を聞かせていました。」その後、おしらさまやかっぱ、座敷わらし、貧乏神などの妖怪の話を岩手弁で語り、最後は「どんどばれ」と締めくくられました。その後は敷地内を自由に散策し、カッパなどのオブジェが飾られた自然豊かな環境と澄んだ空気に心が癒やされました。 出発の際、スタッフはバスが見えなくなるまで手を振ってくれました。再び約90分のバス移動で、途中の道の駅に立ち寄りながら、研修旅行の醍醐味ともいえる宿泊施設へ向かいました。朝からの長旅で、車内では疲れて眠る生徒の姿も見られました。
17時45分、「平泉ホテル武蔵坊」に到着。到着後は部屋で荷物整理をし、夕食が出ました。メニューは白身魚フライ、チキンカツ、牛すきうどんで、昼にそばをたくさん食べたためうどんにしたという心遣いが感じられました。こうして研修旅行の初日が無事終了しました。岩手の食や風土、そして温泉まで、心も体も満たされる1日となりました。
新聞部 AKI

