課題研究で養う、探究する心とやり抜く力
大学生さながらの研究発表テーマ設定は将来を考えるきっかけにも
映写されたスライドに論拠となるデータを示し、それを読み解き考察を述べ、質疑応答をする。大学生の「卒業論文」の発表会かとも思われる光景が目に浮かびますが、ここでの発表者は農大一中の中学3年生です。同校では中学3年生全員が、自身の興味があるテーマを見つけ、それに関して深堀して研究を行う「課題研究」に取り組みます。ここでは、医療、経済、経営、心理など多岐にわたる分野の中から自分でテーマを設定し研究を進めていきます。担当教員からのサポートを受けながら、各自調査をおこない夏休み明けには論文を提出、3月に最終発表。生徒たちはそれぞれ、長い期間をかけて1つのテーマに関する探究を深めていきます。
大学でも、さらに社会に出た後にも必要となる、情報収集、資料の作成、発表の基礎を中学生の段階から意識して学び始めます。また、課題研究のテーマ設定や取り組みを通して、自身の興味・関心のあることについて改めて考える時間が増えるため、この研究をきっかけに将来の自分をイメージすることにも繋がっています。毎年、難関大学への進学者も多く輩出する同校。各生徒が、将来のビジョンを明確化していくことで、進路に対するモチベーションはさらに高まっていくことでしょう。
「本物」を知る、知耕実学の精神で企業へインタビュー調査
今回の課題研究において、「映画プロモーションについて」というタイトルで研究・発表を行った西澤さんは、もともと映画が好きだったことからテーマを考え始めました。しかし、単純に“映画”とするのではなく、“映画プロモーション”を課題としたのには学校での学びや、お父様の仕事が影響したと言います。研究活動の中では、自分で映画配給会社の方にメール、質問文を送るなど、積極的に動いて映画宣伝プロデューサーへのインタビューにもこぎつけました。「先生のサポートもあり、積極的に動くことが出来ました。実際に調べて分かったことを、皆にわかりやすく伝える方法や資料作成の方法を学ぶことが出来ました。」と語っていました。
調査データを読み解き身につける科学的思考力
今回の課題研究では、前述の生徒のようにインタビュー調査を行った生徒もいれば、アンケート調査を行った生徒もいました。アンケート調査では、収集したデータから読み取れる結果を考察することが必要です。「方言はなくなってしまうのか」というタイトルで研究・発表を行った宗兼さんは、自作のアンケートを学年で実施し、集計。そのデータから作成したグラフを示しながら発表を行っていました。「今回のテーマや調査内容は、全て自分で決めました。一方、様々なテーマの友人の話を聞き、スライドを見たりすることもとても勉強になりました。」と語ってくれました。テーマ設定や調査の内容については自分の軸を持って取り組みながらも、周囲と協力してより良い研究・発表を創り上げることができる環境であることが伺えます。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
東京農業大学第一高等学校中等部
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