私学探検隊

正解のない課題にチャレンジし、探求し、やり抜く力

大学生さながらの課題研究発表
テーマ設定は将来を考えるきっかけにも

約1年間かけて研究したものを皆の前で発表します。

約1年間かけて研究したものを皆の前で発表します。

農大一中では中学3年生全員が、自分が興味のあるテーマを見つけ、それに関して深堀し、研究を行う「課題研究」に取り組みます。この研究では、医療、経済、経営、心理など多岐にわたる分野の中から自分でテーマを設定し、進めていきます。教員からのサポートを受けながら、各自調査を行い、夏休み明けには論文を提出、3月に最終発表を行います。生徒たちはそれぞれ、長い期間をかけて1つのテーマに関する探究を深めていきます。
調査は、実際に企業へインタビューをしたり、自作のアンケートを実施したりと手法も全て自分で決めます。このような力は大学でも、さらに社会に出た後にも必要となり、「情報収集」「資料の作成」「発表」の基礎を中学生の段階から意識して学び始めることができます。
また、課題研究のテーマ設定や取り組みを通して、自身の興味・関心のあることについて改めて考える時間が増えるため、この研究をきっかけに将来の自分をイメージすることにも繋がっています。

「知耕実学」の精神をさらに発展
新しい学びの導入

実験・観察・体験などの「実学」を通して本物の知識を耕していく。そんな「知耕実学」の教育理念のもと、「お米の科学」や「ダイズの施肥実験」をはじめ、他校にないユニークな学びの場を数多く提供している同校。開校以来、脈脈と受け継がれる「知耕実学」の精神をさらに発展すべく、今年4月からは、これからの社会で求められる“正解のない課題に立ち向かう力”を育成する教材を導入。中学1年生で実施をスタートしました。この新しい取り組みについて、中学1年学年主任の梶山先生にお話を伺いました。

正解のない課題にチャレンジ
教員自身も学び、変化する

「目的意識を持ち、自ら発案し行動する力」を養うことを目的としています。例えば、「予想される未来に必要な力とはどのようなものなのか」、「今はない、これから生み出される仕事はどのようなものか」、「自分が未来を創るためにはどのようなスキルが必要なのか」といった内容を動画を交えて、ワーク形式で生徒たちが考えていきます。
このワークをコーディネートするためには、教員自身がスキルを身につける必要があります。「導入にあたり教員の姿勢がどんどんポジティブになっています。どの組織でもそうだと思いますが、何か新しい事をやろうとすると、“今まではそうじゃなかった”とか、“常識的に…”と前に進まない事があります。しかしそれを打ち破って、失敗してもいいから前に進む方法をどんどん考えて実現させていこうというのがこのワークの目的。ですから当然、教員自身も変化し、そのマインドができてきていると思います。」と梶山先生。教員がポジティブなので、それが生徒にも伝わっていっています。

人やコトのせいにせず「自分で解決できる」をもっと育てたい

入学してからはじめてまだ数ヶ月ですが、当たり前だと思っていることに対しても「もっとこうじゃないかな?」と言えるようになったり、これまでなら「自分はこう思っているんだけど、これを言ったら嫌われるんじゃないか」と思うような場面でも意見が言えるようになっています。このような生徒の変化を大切にして、今後はもっと自分に自信をもって考え、意見し、他の人のアイディアに耳を傾け、実行できるような力をつけて欲しいと思っています。
課題研究発表や新しい学びの導入など、正解のない課題に向き合い、主体的に探求し、解決していく力を育てる農大一中高。これからの社会で必要となる力を着実につけてくれます。今後もますます注目です。

 

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

東京農業大学第一高等学校中等部
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