生徒の主体性を引き出す学び方によるクラス編成で個性に合わせ力を伸ばす
ここ数年、積極的にアクティブラーニング(AL)を展開してきたかえつ有明中学校。中学1年時よりALに取り組んできた生徒たちが高校へ進学する今年、高校のクラス編成をリニューアルしました。学び方で選ぶクラスの特長、コロナ禍やその後の取り組みについて校長の小畑秀文先生にお話を伺いました。
生徒たちの輝かしい成果からALを軸としたクラス編成に
「高校がALの濃度を変えた3つのクラスに変わりました」と校長の小畑先生が話すように、同校では従来のレベル別ではなく、学び方によるクラス編成に一新。「全教科をALで学ぶ『高校新クラス』は、自分で考え、友達同士で相談し合って、生徒自身の力で学びを進めていきます。教員はポイントポイントでアドバイスをしたり、生徒がやりたいことを実現できる環境を整えるという思想のクラスです」(小畑先生)。
同校が新しいクラス編成を行った背景には、小畑先生が校長に就任して以来展開してきたALにより、生徒たちが目覚ましい活躍を遂げていることが挙げられます。直近ではオックスフォード大学主催の哲学小論文コンクール「Lloyd Davies Philosophy Prize」で入賞、SONYが主催する「U24 CO-CHALLENGE 2020」にて、400件近く集まったアイデアの中からグランプリを受賞するなど、国内外で優秀な成績をおさめています。小畑先生も「小論文はもちろん英文ですし、SONYの方は実用化に向け話し合いが行われているようです。受賞はもちろん生徒の積極性や行動力の高さには私も驚かされます」と誇らしげに話します。このようなコンクールへの応募は学校が主導するのではなく、すべて生徒が自主的に取り組んでおり、その根底をなすのが中学での「サイエンス科」と高校の「プロジェクト科」という授業です。
学びの楽しさを軸としたサイエンス科は、社会に出てからも通用する思考スキルを培いながら、課題に沿ったプロジェクトを仲間と協働しながら運営。プロジェクト科では中学での学びをさらに深め、他者との関係性を対話で築きながら、自分で設定したテーマに取り組んでいきます。学びの中で生徒たちは達成感、自己肯定感、チャレンジ精神を高めていき、その結果、自分でアンテナを張り外部の情報をキャッチし、ごく自然に個人プロジェクトを立ち上げ邁進していくのです。
高校クラスの種類と特徴
先生方が協力し実現したwithコロナの授業形態
新型コロナウイルスによる臨時休校中も、ZOOM上で小グループに分かれALを継続した同校。体操、保健やカウンセラーの先生によるお話を定期的に実施し、授業に加え心身のケアにも注力しました。登校が始まった9月からは、電車での感染を避けるため在宅で授業を受けたいという希望にも対応し、ネットで学校と家庭を繋いだハイブリッド授業を展開。「在宅希望者はクラスに1名程度ですが、生徒全員が公平に授業を受けられるようハイブリッドにしました。そのため先生方には夏休みを利用し、研修や授業形態の検討をしてもらいましたが、どの先生も前向きに取り組んでくれ、教育者としての意識の高さを改めて実感しました」と小畑校長。
同校ならではのALで学んだ生徒たちが、将来どんな活躍をするのか今から楽しみです。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
かえつ有明中学校
[学校HP]https://www.ariake.kaetsu.ac.jp/
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