私学探検隊

「明治学院流にやっていけばいいんだ!」自校の特徴を全面に、表現力豊かなハンドベルの世界を生徒たちと共に

 文久三年、京都で新撰組が結成された年に、「ヘボン式ローマ字」で知られるヘボン博士は横浜で英学塾を開きます。
 英学塾はやがて日本初の神学校となり、明治二十年、神学校の普通学部として始まったのが今の明治学院中学校です。
 現在の明治学院中学校は、同じ敷地内にある明治学院東村山高等学校と協力し、キリスト教を基盤とした中高一貫教育を行っています。
 卒業生は、ノンフィクション作家の山根一眞氏、さいたま市長の清水勇人さん、TBSアナウンサーの加藤シルビアさんなど多彩な顔ぶれ。
 多彩と言えば、今回ご紹介するハンドベルの音色もまさに多彩。でも実は、一つのハンドベルが出せる音は一つだけ、一人で複数のハンドベルを持ったリンガー(演奏者)が、さらにクワイヤ(グループ)を組み、一糸乱れぬ打ち合いをしていく…これはかなり高難度ですね。
「ハンドベルは一人の思いではできません。クワイヤ全員の気持ちをいかに揃えていくかです」
 と仰るのは、明治学院中学校ハンドベル部顧問(取材時)の稲垣和良先生です。
 稲垣先生は顧問となって32年。
「本校へ新任で来て、いきなりでした」
 とのこと。ご専門はヴァイオリン、ハンドベルはまったくの未経験でした。
「最初の四、五年目は苦労した記憶しかありません(笑)。ある日、『明治学院流』にやっていけばいいんだ!と気付いて」
 ハンドベルの鳴らし方は、手首から先を使うのが通常ですが、明治学院には元来「体全体を使う」という他校にはない特徴がありました。稲垣先生は、この特徴を全面的に推し進めていきます。
 現在、明治学院中学校ハンドベルの部室の壁は、数々の表彰状で埋め尽くされています。二〇二二年は、TBSが主催する小・中学生の音楽コンクールで、全国大会に進みました。
 三年生が引退し、新部長は藤本江玲奈さん。藤本さんのお姉さんも明治学院中学校ハンドベル部でした。
藤本さん 小さいころから、何か学校でイベントがあると、姉にくっついて来て、ハンドベルの演奏を聴いていました。
 藤本さんにとって、明治学院進学もハンドベル部入部もごく自然な選択。しかし、入ってみると、練習は予想以上にハードでした。
 コロナ禍で合宿ができない時期には、通学で三日間連続朝から夕方まで練習、指にはマメができましたが、
藤本さん みんなで演奏するのが楽しい、先生が褒めてくれるのが楽しい、観客の反応が楽しい、楽しくて、もっとやりたいと思いました!
 しかし部長となり、これからは全体を見ていく立場。
藤本さん 部の中で起きることは、全部私も関わっていきます。
 そんな藤本さんに、稲垣先生は「まだ部長になったばかりですが、信用していますし、任せています」とのことでした。
 未経験から入賞常連校に育てた中学部ですが、ご自身に賞へのこだわりはないようです。
「『おもしろかった』と言われたら最高の褒め言葉。これからも表現力豊かな音楽を創っていきます」

手首はむしろ固定し、身を乗り出すように全身を使って演奏

※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。

明治学院中学校 [学校HP]https://www.meijigakuin-higashi.ed.jp/ 〒189-0024 東京都東村山市富士見町1-12-3 TEL 042-391-2142 最寄駅/西武拝島線 国分寺線「小川駅」徒歩8分。JR武蔵野線「新小平駅」徒歩25分。(自転車通学可)

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