地域との交流や学会発表、国際交流まで!屋上緑化から世界へ広がる学び
伝統的な「江戸東京野菜」を
次世代へ残す
屋上スペースを活用して野菜を育てたり、敷地内に武蔵野の自然を再現したビオトープをつくるなど自然環境に関する様々な取り組みを行っている獨協中学校。今回は屋上緑化やビオトープの管理を行っている緑のネットワーク委員会の活動に密着しました。
この日の午後行われていたのは、ミニトマトや枝豆、きゅうりなど夏に収穫する野菜の苗の植え付け作業。苗のなかには、江戸時代から市民の食生活を支えてきた「江戸東京野菜」もありました。この苗は昨年、同校の卒業生から苗を譲り受け栽培し、収穫した野菜から種を採って育てたもの。江戸東京野菜は一般的な野菜と異なり収穫した野菜から種を採ることができる固定種であり、自分達が育てた野菜を持続的に生産していくことができます。
▼江戸東京野菜▼
この日植えられた3種の江戸東京野菜は、昨年収穫した野菜の種をとって育てたもの。F2がどのように育つかが今年の研究テーマ
高校1年の委員長・田中大翔くんは、「自分たちで栽培・収穫した野菜の種から育てるという初めての試み。苗まで育てることができたので、夏にはどうなるか楽しみ。引き続き観測していきたい」と今後の抱負を語ってくれました。
中学3年の副委員長・武田睦稀くんは「江戸東京野菜は、規格が揃いづらいなどの理由で育てる農家が激減している絶滅種。伝統的な固定種を残すために自分達が育て、魅力を知ってもらうために地域などに働きかけていきたい」と教えてくれました。
収穫した野菜は近隣の小学校へも届け、野菜の魅力を知ってもらう機会としています。過去には近くの小学校や地域の施設に箱ビオトープを設置して生徒たちが環境についての授業を行ったこともあり、地域の人たちとの交流も活発です。
日本環境教育学会で
有識者と交流
さらに昨年は、江戸東京野菜と一般的に売られている苗の収穫量を比較し、日本環境教育学会でパネル発表を行いました。測定結果とともに、持続的な作物栽培の可能性や食文化について発表した生徒たち。参加した武田くんは「江戸東京野菜を育て、産地の方と交流したり地域の小学校へ搬出したりするなかで、地域の食文化や野菜の歴史を知ることもできた。学会発表では研究者や大学生など普段接する機会のない人たちの話を聞くことができて、有意義な時間だった」と振り返ります。農業や環境について知る貴重な経験となったようです。
2019年からドイツ・シュヴェリーンの高校と交流がある緑のネットワーク委員会。6月にはこれまでオンラインで交流していた生徒11名と先生2名が4年ぶりに本校を訪れ、お互いの取り組みを紹介し合ったり、レクリエーションを楽しみました。委員会活動は実践を積み重ねながら、地域や社会、国際交流まで大きな広がりを見せています。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
獨協中学校
[学校HP]https://www.dokkyo.ed.jp/
〒112‐0014東京都文京区関口3‐8‐1 Tel.03 ‐3943‐3651
最寄駅/メトロ有楽町線「護国寺駅」徒歩8分。メトロ有楽町線「江戸川橋駅」徒歩10分。メトロ副都心線「雑司が谷駅」徒歩16分。JR「目白駅」から都営バス「ホテル椿山荘東京前」徒歩1分ほか。