進路実現の幅がさらに広がる 英語の麴町学園女子が中学2年生から新たにサイエンス探究クラスを設置
英語4技能教育の先駆けとして、独自の英語指導メソッドであるアクティブイングリッシュを導入し、「英語の麴町」として注目を浴びてきた麴町学園女子中学校。生徒の「自己肯定感」を高める1つの仕掛け、という位置づけでもある英検の成果も飛躍的に向上し、現在では約5割の生徒が英検の2級以上を取得して卒業しているそう。そんな同校がこだわるのが、大学への第一志望進学。同校の校長である堀口千秋先生は「本校が掲げている教育ビジョンは『豊かな人生を自らデザインできる自立した女性』を育てることです。このビジョンを実現するためには、生徒自身が学びに対して前向きであることがとても重要です。子どもたちにはそれぞれ、得意な教科もあれば、苦手な教科もあると思います。だからといって、そこに目を瞑って学びから遠ざかってしまえば、『本当はあったはずの未来の可能性や選択肢』が、その時点で奪われてしまうことになります。これは生徒にとって、とても不幸なことです。私は校長として、たとえ苦手な教科であっても、とにかく子どもたちに『学ぶことの楽しさ』を知ってもらえる教育を行い、どんな生徒でも、イキイキと自分の夢を語ることができる、そんな学校にしていきたい。」と、言います。
2021年度からスタートしたアクティブサイエンスは、理科の授業が好きな生徒も、苦手な生徒も、「体験」を重視した授業で学びの楽しさを知ってもらおうという思いで始まった取り組みです。授業を通して、理科への興味・関心を強く持つようになる生徒が増えてきたことで、中学2年生から新たにサイエンス探究クラスを設置することに至ったそうです。サイエンス探究クラスには、希望制で進むことができ、クラス設置初年度となる今年は、30人以上の生徒が希望されたといいます。
生徒の可能性を無限に広げるアクティブサイエンス
サイエンス探究クラスのお話をうかがう前に、まず麴町学園女子独自の理科教育であるアクティブサイエンスについてうかがいました。「理科教育というと少し専門性の高い内容をイメージしがちですが、麴町学園女子のアクティブサイエンスが目指すのは、あくまでも本校の教育ビジョンである『豊かな人生を自らデザインできる自立した女性』の育成を体現することです。もともと理科の授業が好き、得意だという生徒はもちろんですが、一番の目的は理科に苦手意識を持つ生徒でも、アクティブサイエンスの学びを通して理科に対しての、さらに言えば学ぶことに対しての楽しさを知ってもらい、生徒自身の将来の可能性や選択肢を広げていくことにあります。」(堀口校長)
「アクティブサイエンスの授業では、『まずは自分で考えるという習慣をつける』ことを1つのアプローチとして重視しています。そのため、授業で扱うテーマは、身近な事象や事物を中心に、教科書には答えが載っていないものも積極的に扱います。教科書に載っている実験・観察を扱う場合には、必ず+αの問いを出します。用語や定理を覚える、あらかじめ決められた手順を再現する、ということを中心に据えた教え方をしてしまうと、生徒はどうしても本来の理科の学びの楽しさを実感しづらくなってしまいます。生徒には、失敗してもいいので、自分で実際に手を動かし体験することで、様々なことに気づき、自由な発想を持って欲しいと思っています。今、世の中は便利なもので溢れており、そこに疑問を持つ、気づく、ということが難しくなっているといえます。この『当たり前だと思っていたことに改めて目を向け、気づく』感覚は生徒の学習への主体性を喚起させるために、とても重要なポイントになります。実際、今年から始まるサイエンス探究クラスの希望者は30名を超えることになりましたが、アクティブサイエンスの授業が、理科の領域だけに限らず、生徒自身が本当に興味のあることは何なのか、そこに目を向けてもらう良いきっかけになっていると感じています。」(堀口校長)
興味・関心をさらに深めるサイエンス探究クラス
アクティブサイエンスを導入して3年目を迎え、生徒たちの学びに対する向き合い方がより前向きなものに変わってきたように感じていていると堀口校長は言います。「校長である私自身も昨年度は中学1年生の理科の授業をもっていたのですが、生徒からの質問の量も質も格段に良くなってきているのを実感しています。そこで、生徒たちのこのやる気をさらに高めていってあげられるように、という思いで中学2年生から3年生のサイエンス探究クラスの設置に踏み切ることにしました。」(堀口校長)
サイエンス探究クラスでは、教科書には載っていないような実験、一部高校や大学で学ぶようなテーマも扱い、生徒の主体性を重視しながら内容を深めていきます。なお、サイエンス探究クラスに所属しない生徒たちは、引き続きアクティブサイエンスの授業を受けることになります。
サイエンス探究クラスは、必ずしも今後の進路選択における理系選択に対する強制力が働くものではない、ということも特徴のひとつです。「サイエンス探究クラスに所属することで、将来的に理系進学を選択することになる生徒にとっては、早い段階から自身の将来を意識した準備を行うことが可能になり、また、まだ自身の興味・関心分野を模索しているという段階の生徒にとっても、改めて自己と向き合い、納得感を伴った将来設計に生かされる経験になるはずです。」と堀口校長は言います。
同校が重視する大学への第一志望進学。生徒たちが自己と向き合い、自身の将来を自己決定していけるための仕組みやアプローチを常に考え、進化し続ける同校の今後に期待です。
※上記はNettyLandかわら版の抜粋です。全容はこちらをご覧ください。
麴町学園女子中学校
[学校HP]https://www.kojimachi.ed.jp
〒102-0083 東京都千代田区麴町3-8 Tel.03-3263-3011
最寄駅/ メトロ有楽町線「麴町駅」徒歩1分。メトロ半蔵門線「半蔵門駅」徒歩2分。JR・メトロ南北線丸ノ内線 「四ツ谷駅」、JR・メトロ南北線 有楽町線・都営新宿線「市ケ谷駅」徒歩10分。